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重なる心 すれ違う思い+佐伯

無残に割れた皿たちを見ても

「いいんですよ、先生。」

とニッコリほほえむ洋子ママ。

こんなじじいにも優しく向けられる笑顔は
まさに聖母のほほえみ…。




いつもなら店を手伝っているはずの桃ちゃんが
なかなか帰らなかったその日は
書き入れ時の土曜日。

夕食をとるために店にいた私は
忙しそうにしているママに

「ウェイター役は任せなさい。」

そう言って、エプロンを借りた。

が、

散々な結果に…。


思い起こせば
妻が病気で亡くなる前、

「お箸の場所もわからないあなたが、とても心配よ。」

そんなことを、こぼしていたな…。

さすがに箸の場所はわかるようになったが
自炊はまったくしないので
『できあがった料理をテーブルに運ぶ』
という簡単な行為ですら、過度に緊張してしまい
ママに失態をさらす羽目になってしまった。

年頃の桃ちゃんは、
これからも店を手伝えないことがあるだろう。

私がしっかりしないでどうする。

とりあえず、自炊から始めてみるか…。

というわけで
(前置きが長くなったが)
私は今、スーパーにいる。

手始めにカレーでも作ってみるかと
野菜を物色中。

カレー…

何が入ってただろうか…。

洋子ママのカレーは野菜が大きめの素朴なタイプ。

玉ねぎと
人参と
じゃがいもと…

ママの愛情。

何をバカなことをと苦笑いをし、
野菜売り場を後にしようとしたところで

「あら?佐伯先生、お買いものですか?」

なんとも美しい声で呼び止められた。

「洋子ママ!」

今の今まで妄想の中で
ほほえみかけてくれていた聖母が
私と同じカゴを持ち
そこに立っている。

初めて立ち寄ったスーパーで
こうして出会うとは…


これは

運命?


「何か作られるんですか?」

「は、はい。料理を始めようと思いまして。
 今夜はカレーです。」
 
「自炊ですか。
 良いことですね。」

ほ、褒められたっっ!

もっと腕をあげて、
頼れる男になりますから!

期待してて下さい!

洋子ママ!!!

「でも…」

でも?

「お店に来られる回数が減ってしまうんですね。
 私としてはちょっと残念かなぁ(笑)
 それじゃあ。」




佐伯為雄56歳。

自炊なんてするものかと
カゴの中の野菜をひとつひとつ戻していく男。




「あの人、お財布忘れたのかしら。」

「ドジねぇ。」




穏やかな初夏の午後だった。


 ぽちりに感謝カンゲキ雨嵐<(_ _*)>



 
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NoTitle
佐伯先生、カワイイe-266

折角決意した自炊を、簡単にやめる。
しかも、野菜を戻すって…。
笑えました。

こういう時には、料理を教え欲しいとお願いし、
お店へ通うのが一番良いように思いました。

佐伯先生、頑張れぇ~!
by: narinari * 2010/06/27 00:06 * URL [ 編集] | TOP↑

Re: NoTitle>narinariさま
> 佐伯先生、カワイイe-266
おっっ!
いきなりの枯れセン宣言ですか?(違うって)

> 折角決意した自炊を、簡単にやめる。
> しかも、野菜を戻すって…。
> 笑えました。
謎だらけの出演者たちの中で
常に笑いを提供してくれる貴重な存在です。

> こういう時には、料理を教え欲しいとお願いし、
> お店へ通うのが一番良いように思いました。
「はっっ!そうかっっ!!!」
↑佐伯教授

> 佐伯先生、頑張れぇ~!
頑張れば頑張るほど
ズレたところにいってしまう…
果たして、せんせいは幸せになれるのか?
(ていうか、先生の話、これ以上ひっぱるのか?)
by: OH林檎 * 2010/06/27 11:45 * URL [ 編集] | TOP↑

NoTitle
ここまで読みました。
それぞれのキャラクターの事情が、せつないけど真摯に向き合っている姿勢が描かれていてとてもすばらしいです!

のめりこんでしまった><
うん、いいお昼休みになりました☆

佐伯先生……。
なんだろう、まるで鏡を見ているかのようなこの寂寥感は……。
by: いき♂ * 2010/08/05 12:31 * URL [ 編集] | TOP↑

Re: NoTitle>いき♂さま
> ここまで読みました。
すごい勢いで読んで頂いて恐縮です!
(キースを読む速度が遅くて申し訳ないっっ!!!)

> それぞれのキャラクターの事情が、せつないけど真摯に向き合っている姿勢が描かれていてとてもすばらしいです!
う…嬉しすぎるお言葉。
書きすすめるうちに、どの登場人物にも激しく感情移入してしまい…
故に、過酷な運命を負わせてしまってます。
でも、必ず高い壁を乗り越え、幸せになってくれると信じています。
(って、私次第なんですけどね。)


> のめりこんでしまった><
> うん、いいお昼休みになりました☆
お昼休みにっっ!?
貴重な時間を、
なんだか申し訳ないです(汗)

> 佐伯先生……。
> なんだろう、まるで鏡を見ているかのようなこの寂寥感は……。
佐伯先生にはこの物語のオアシス的存在として
要所要所でがんばってもらいます。
書くのが楽しいんですよねぇ♪
by: OH林檎 * 2010/08/06 00:24 * URL [ 編集] | TOP↑
















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