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重なる心 すれ違う思い30

「愛未ちゃん、今日はありがとね。」

「ううん。こっちこそありがとう、洋子ママ。」

「じゃあ、そこまで送ってくるから。」

ふたりで表に出て、営業中の札を裏返す。

「桃、ここでいいよ。」

「ううん。駅まで行かせて。」

久しぶりに長い時間、一緒にいたからか、
いつも以上に別れを淋しく感じる。

「写真、見せて。」

「うん。」

エプロンのポケットからカメラを取り出し
愛未に渡した。

「おお!うまく撮れてんじゃん!」

「そぉ?」

「これも私と例の彼のおかげだねぇ。」

「れ、例の彼って!!!」

「だって、名前聞いてないもん。」

「う…。」

海で愛未は

―「そのうち、教えてね。」―

って言ったけど、
結局すぐに教えることになりそう…。




「洋子ママ。お願いがあるんだけど。
 今度、無国籍料理のお店を出そうと思ってて
 料理を参考にしたいから写真撮っていい?」

そう言った愛未は来店したお客様に

「この料理がオススメですよぉー♪」

と、様々な料理のオーダーを取り、
出来あがった傍から

「はい、桃、撮って!」

と、私に写真を撮らせた。

そうして、
あっという間にメニュー表の写真撮影終了。

まさか1日で終わるなんて…。

さすが、愛未!

って、あれ?

「ねぇ、愛未?」

「ん?」

「お母さんは愛未がお店持ってること知ってるの?」

無国籍料理の店のくだりで
全く驚いてなかったお母さんは
よく考えたら不自然だった。

「ああ、洋子ママ?言った、言った。
 うなぎやする時にね。
 色々、相談に乗ってもらったんだぁ。」

「えーーー!私は知らなかったのに?」

「だって、失敗したら心配かけるじゃん。」

「それはっ!…そうだけどぉ。」

「一生顔パスにしたげるから、ゆるせ、桃。」

「顔パス?」

「ふふふ。喰いついたね。」

「う…。」

だって、すっごく美味しかったんだもん。

「無国籍料理の話もホントだからねぇ。」

「えええ!?」

「ああーーー。お金が増えて仕方ないわぁ。」

…私には一生言えないわ、そんなセリフ。




「さて、あとは、これを形にするだけだねぇ。」
 
写真を撮っただけではメニュー表は完成しない。

値段や料理説明も入れなきゃいけないし。

「優太が手伝ってくれるんでしょ?」

「うん。何か考えがあるみたい。
 でも…優太くんに甘えていいのかな?」

優太くんの気持ちが、愛未の言う通りだとしたら…
今のままでいられるんだろうか。

「いいんじゃない?甘えれば。
 そもそも優太は友達なんだから、
 それは桃に彼氏ができたって変わらないでしょ?」

「か、彼氏って!
 まだ、好きかどうかもわからないのにっっ!」

「もしもの話よ(笑)
 まぁ、好きかどうかぐらいわかるようになるまで
 優太にはその彼の話はしない方がいいかもねぇ。」

「どうして?」

「なーーーんか、ややこしい事になりそうな気がするから。」

ややこしい事ってなんだろ?

詳しく聞こうと思ったら、駅に着いた。

「じゃあ、桃。また月曜日にね。」

「うん。おやすみ。」

改札を抜けて、振り返る愛未。

手を振ろうとした時、

「桃、私たち幸せになろうね!」

と、愛未が言った。




今、駆け足で
大人になろうとしている私たち。


できればずっと近くにいて

支えあい

笑いあい

慰めあい

幸せになりたい。


なれると信じたい。



ね、愛未。


 ぽちりに感謝カンゲキ雨嵐<(_ _*)>



 
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