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重なる心 すれ違う思い29

夕日が落ち、辺りが暗くなった頃、
愛未と私は帰りのバスに乗った。

「今日は洋子ママに悪いことしちゃったな。」

「大丈夫。その分、帰ったらガンガン手伝うから。」

とは言ったけど、お客さんが多い土曜の夜、
忙しいだろうなと心配になる。

「よし!今日は私も手伝っちゃう!」

「え?いいよぉ、気を使わなくても!」

「たまには、やらせてよ。
 いつも、お世話になりっぱなしだから。それに…」

「それに?」

「桃、洋子ママの誕生日のこと忘れてるでしょ?」

「あっっ!」

そうだ!

肝心のメニューの写真、1枚も撮ってない!

「どうやって撮るの?料理の写真。内緒なんでしょ?」

「ええーーーっと、写真の練習をしたいから撮らせてとか?」

「…あんた、何も考えてなかったでしょ。」

図星。

「まぁ、私に任せなさい。悪いようにしないから。」

「う、うん。」




それから1時間近くバスに揺られ、
店に着いたのは8時を過ぎた頃。

店内は、予想通り
お客さんで込み合っていた。

お母さんは焦って店に入った私たちを見て

「良かったー。今から手伝える?」

と、キッチンから声をかけた。

こういう時、お母さんは絶対怒らない。

友達は何よりも大切

それが我が家の家訓。

「洋子ママ、今日はごめんね。
 桃をこんな時間まで借りちゃって!」

愛未が両手を合わせ、頭を下げると

「いいの、いいの。優秀なお手伝いがいたから。」

え!?

と2人して、店内を見回すと
お客さんからオーダーをとっている…

「さ、佐伯せんせ!」

「ああ、桃ちゃん、おかえり。」

ワイシャツ姿にピンクのエプロンをした
佐伯教授がそこにいた。

「な、なにしてるんですか!?佐伯教授!」

「ああ、君は北川くんだったね。
 どうかね?このエプロン。」

「に、似合ってます。」

あ…愛未の顔が引きつってる。

嘘、だな。

「先生は忙しそうにしてる私を見かねて、
 今まで手伝って下さったのよ。」

「ありがとうございました。あとは私が…。」

そうお礼を言うと、
そうかねぇ…と名残惜しそうにエプロンを外した。

あれ?

私、邪魔だった?

その時、愛未が

「ありゃ、洋子ママ狙いだね。」

と、小さく耳打ち。

驚いて先生を見ると、
顔を赤くしながらお母さんにエプロンを渡してる。

「ここにも、愛があったか。」

にやにやしながら愛未が言う。

愛…。

そう言えば、二ノ宮先生の授業に遅刻した時、
お母さんのこと色々聞いてきたっけ。

そうか。そうだったのかと1人納得していると、

「じゃあ、桃ちゃん、北川くん、また。」

と佐伯先生は帰っていった。

それを笑顔で見送ったお母さんは

「桃、ちょっと。」

と私をキッチンに呼ぶ。

「悪いけど、これ片付けてくれない?」

そう指さした先には、割れた皿の山が…。

「いい人なんだけどねぇ。
 ウェイターには向いてないみたい。」

カウンターからキッチンを覗きこんでいた愛未が

「教授、残念…。」

と、つぶやいた。


 ぽちりに感謝カンゲキ雨嵐<(_ _*)>



 
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