スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--/--/--(--)
スポンサー広告

重なる心 すれ違う思い28

そこは小さな入り江があるだけの
地元の人しか知らない海。

夏は少しだけ賑わうけど、
海の家なんていう施設は無い。

近くの人が泳ぎに来て、
水着のまま家に帰っていく…

そんな場所。

愛未や私の家からは少し距離があり
泳ぎに来たことはないけれど、
ふたりで何度か訪れていた。

海に行こうと言われれば、
ここを思い浮かべる。

前回、来たのはちょうど1年前。

大きな流木に座り、
沈んでゆく夕日を眺めた。

あのときも、愛未から誘ったんだ。

桃、海行かない?って。

多くは語らなかったけど、
辛いことがあったんだなって…

そう、思った。




「まだあったんだ、これ。」

そう言って流木に腰かけた愛未の隣に
私も座った。

海風が気持ちいい。

ふと、
先生とこの海を見たいと思った。

ここに、こうして並んで、
静かに海を眺めたいと…。

「桃、今何を考えてる?」

「うん。…ある人のこと。」

海は人をちょっとだけ素直にさせる。

「そう。好きなの?その人が。」

「わからない。
 まだ、出会ったばかりで、何も知らなくて…。
 でも…。」

「でも?」

「もういちど、会いたいって思うの。
 今日は会えるかなってドキドキするの。」

「そっか。」

「それから…
 あの写真は、その人が撮ったの。」

「うん。」

「色々、教えてくれて…。
 それで…。」

抱きしめられていた時間を思い出し、
顔が熱くなる。

そんな私を見て、愛未がフッと笑った。

「いいよ。今ぜんぶ言わなくても。
 でもそれは、優太じゃないんだね。」

「…うん。」

「私にも言い辛い人だったりする?」

「う、うーーーん。ちょっと…。」

愛未が授業中睨みっぱなしのあの人ですから。

「まぁ、いっか。そのうち、教えてね。」

「うん。」

愛未の反応を考えると、今から緊張…。

やっぱり反対されるかな?

あの、冷徹メガネのどこがいいの!?とかって。

「優太はさ、桃のこと好きだよ。」

「…。」

「ふたりがうまくいけばいいなって思ってたけど…。
 そっか、そうだったんだ。」

「ごめんね。」

「謝ることじゃない。
 人の気持ちはどうしようもないから。」

その言葉は私だけに言ってるようには思えなくって、

「愛未、何かあったの?」

と、聞いてみたけど、

「今は…ごめん。でも、私は大丈夫。」

そう言って、悲しそうに笑う愛未。

私じゃ、頼りなくて
相談なんて出来ないよね。

いつも助けてもらってるのに
肝心な時に役に立てないなんて…。

私の方こそ、ごめん…。




それから、
1年前と同じように
夕日を眺めた。

海に夕日が沈んでしまう時は、
線香花火の最期に似ている。

とてもきれいで
とても切ない…。




かならず、また来ようね。


 ぽちりに感謝カンゲキ雨嵐<(_ _*)>



 
関連記事
スポンサーサイト















管理者にだけ表示を許可する


| ホーム |
Page Top↑
▲ Page Top
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。