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出会いは、やわらかく、あたたかく…5

「ふぅ。
 まだまだ、順番来そうにないね…。」

「うん。」

「先にお昼にすれば良かったぁ。」

「はは、そうだね。」


入学式とオリエンテーションで
短大初日は終了。

愛未と私はその足で、
授業で使う教科書や参考書を買いに
指定の書店に来ていた。

授業が始まる明後日までに
揃えておかなくてはならない為、
指定の書店―多治見書房―の店内は
聖マリアンヌの生徒で溢れていた。


「ほんっと女子ばっか。」


教科書販売用の仮設レジの列に並びながら
愛未はうんざりしたような声を出した。

それを聞いた周りの女の子は
同感とばかりにくすくす笑う。

多分きっと、

“男の子との出会いが少なくて嫌”

って意味に取ったんだろう。

でも、愛未のそれは…


「女子特有のドロドロネチネチ、
 嫌なんだよねぇ。」

「ま、愛未!声、おっきい!」

「ふん。」


…さっき、笑ってくれてた女の子たち、
睨んでます、よ(涙)

そんな視線は気にせず、
愛未さまは何処吹く風…。

声のボリュームを落とすことも無く、


「ま、良かったじゃん。
 桃はイケメンと仲良くなれて。」


と、さらに挑発的な言葉を繰り出す。


「な、仲良くって、みんなだよ!
 クラス全員仲良くなったの!」

「ふ~ん。
 クラス全員の手、握ったの?」

「そ、それは…」


言葉に詰まった私を
ニヤニヤと覗きこむ愛未。


ど、どうしよう…。

ここで黙ったままだと
周りの人に変に思われちゃう!

上手い言葉が見つからないまま、
口を開きかけたその時、


「握ったよぉ、全員♪」


列の後ろの方から
春風のような声がした。




ゆ、優太くん!?


黄色いざわめきを背負って、
声の主が近づいてくる。

愛未は…

さっきと同じ、
ニヤニヤした表情のまま。

もしかして、いるの知ってた?

横目でキッと睨むと、


「あれ~?
 噂のお友達じゃん!
 紹介してよ、桃!」


わざとらしい芝居口調で
そう言った。




「やぁ、桃ちゃん♪」

「あ、うん。
 こ、こんにちは。」

「ふふ。こんにちは。」


隣に立つ優太くんは
やっぱりとっても格好良くて、
女の子の注目を一身に浴びた。


う…。
こんな中、何言えばいいの?


助けを求めるように愛未を見ると、
愛未は愛未で
挑戦的な目を彼に向けている。

優太くんは
その目を怯むことなく受け止めていた。

すべてを包みこむような微笑みで…。




「はじめまして。
 桃ちゃんと同じクラスの中村優太です。」

「うん、知ってる。」

「そう?
 僕、有名人?」

「まぁね。派手な登場だったし。」

「あ、入学式?」

「…どういう気、あれ。」


優太くんは笑ってるけど、
愛未の目は…笑ってない。


「ま、愛未?」


流れる緊張に
空気が硬化する。

でも…、
それを柔らかくしたのも
やっぱり優太くんだった。


「僕さ、
 爪の先までフェミニストなの。
 だから、
 あそこで会ったのが君だったとしても…
 って、君、名前は?」

「…愛未。北川愛未。」

「愛未ちゃんかぁ。
 スッゴクかわいい名だね。」

「…」

「じゃあ、仕切り直し。
 僕さ、髪の毛一本までフェミニストなの。
 だから、
 あそこで会ったのが君だったとしても、
 こうして手を取って…(ぎゅうっっ)」


ええ!?


「連れて行ったよ、どこへでもね♪(うぃんくっっ)」

「…」

「ていうか、
 君だったとしても(ぎゅうっっ)」

「きゃあ♪」

「君だったとしても(ぎゅうっっ)」

「いやん♪」

「君だったとしても(ぎゅうっっ)」

「あふん♪」





「もう、やめーーーーっっい!!!
 あんた達もポッとしないっっ!!!」

「はは。ツッコミ厳しいね。
 でも、嫌いじゃない♪」

「ドMかっっ!?」


よくわからないけど、
この2人…


「うーーーん。どっちかっていうと
 Sだと思ってたんだけど…」

「本気で答えんな!」


仲良く…


「今のちょっとゾクゾクしたぁ♪
 やっぱ、僕M?」

「うるさい!」


なった?








これは、
かなり後に聞いた話。

あの時、多治見書房には、
入学式での私と優太くんを見て
良い印象を持たなかった
看護科の生徒がいたらしい。

そこで愛未は
優太くんが書店に入ってきたのを見て、
あんなことを…。


「優太が上手く乗ってこなかったら、
 一方的に悪者にして、
 噂の矛先を向けてやろうと思ってさ。」


愛未は悪びれもせずそう言ったけど、
勝算があったに違いない。

だって、
いきなり手を握って殴られなかった男の子は
優太くんだけなんだもん(笑)




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