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出会いはサイテー、サイアクで…4

「マジで、あり得ねぇ!」


くそ!俺としたことが!

メモリーカードの予備、忘れるかよ!

変な女がいなくなって、
やっとこれからっつー時にさぁ!


「…戻るか、部室。」


四の五の言ってても仕方ねぇ。

時は待っちゃくれねぇし、
今を逃したら、
あの桜には二度と会えない。

…そう。

失ったものはカエラナイ。

時間も人も…。




並木道を横切り、
短大のエリアを抜けるルートが、
部室への近道だ。

木の根元に置いていた機材を
アルミケースに入れ、肩に担ぐ。

首から下げた一眼と合わせれば
かなりの重量だが、
気にせず走り出した。

その途端、


「わっっ!」

「―――っっ!?」


目の前に何かが飛び出してきた。




「あ、危ねぇ!
 このカメラ、いくらすると思ってんだよ!」

「ご、ごめんなさい。」

「!」


間一髪で身をかわし、
衝突を免れたそれは…、

俺の大好物だった。




なんだ?
この、とびきり可愛い生き物は…。

華奢な体に
色白の肌。

茶色の柔らかそうな髪が
黒目がちの瞳にかかって…。

色付き始めた果実のような唇が
驚きで微かに震えている。

バンビか?

プードルか?

それとも、
天使?

いずれにしても
人間じゃねぇよな。

だって、
可愛過ぎっだろ!

しかもこいつ、
不安そうに小首を傾げやがって…。




ごくっっ…




「超、美味そうじゃねぇか…。」

「え?」

「俺の名は新田海。
 お前は?」

「…―――言わない。」

「あ、こらっっ!待て!」

「待たない。」

「逃げんなぁ!!!」

「逃げる。」








はぁ…はぁ…

逃げられた。


「はは。足、早ぇ…。」


跳ねるように行っちまった。

やっぱ、バンビか?

まぁ、でも…


「LOCK ON 完了、だな。」


またすぐに会おうぜ。

俺のバンビちゃん。








頑なな心を溶かすような、
温かい光を宿した瞳。

その光の奥に
彼を見上げる私が映っている。

この人は、優しいひと…

直感的にそう思った。

そんな私の心の変化を読み取ったのか、


「ねぇ、君、名前は?」


再び彼が口を開く。


「し、らいし…もも。」


まだまだ小さい声だけど、
さっきまでの声音とは明らかに違う。


「桃ちゃんかぁ。
 とってもかわいい名前だね♪」

「あ、ありがとう。」

「僕の名前は中村優太。」

「中村、さん?」

「さんはいらないよ。
 ほら。僕たち同じ1年でしょ?」


そう言いながら、
彼は自分のタイを指差した。


「だからさ、
 優太って呼んで。」

「え?」

「ゆ・う・た。」

「…―――」


男子と会話をするという高いハードルを
やっと1台越したのに、
2台目がすぐ待ってるって感じ。

でも、なんだろ…。

越えられる、気がした。

そしてその先には、
新しい世界と、


「ゆうた、くん?」

「よく出来ましたぁ♪」


とびきりの笑顔が待っていると…。








いた!

バンビだ。




短大エリアに入った所で俺は、
バンビの姿を見つけた。

さっきの顔とは違う、
笑顔のバンビ。

だがそれは、
あの変な女に向けられたモノだった。




なんだ、アイツ。

バンビの前で
やたらモジモジしやがってよぉ。

純情ぶって、
気を引く作戦か?

つか、逆ナンか?

こっからじゃ、
話、聞こえねぇなぁ。

もうちっと、近づくか…。




それは俺の新しい世界…、
―バンビの追っかけ―の始まりだった。




…おい、誰だ?

ストーカーの始まりって言ったヤツは!




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