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出会いは危険な大人の香り…2

灰皿…

灰皿…

そっか、
灰が落ちそうなんだ。


斜に咥えられた煙草は
灰色にどんどん浸食されている。

彼の白衣の胸ポケットには、
万年筆と
黒インク、赤インクのボールペン。

それらを避け、
隙間に手を侵入させると、
皮のような材質が指先に触れた。


「えっ…と、これ、かな…」

「ああ…」


視線と吐息、
そして甘い声を頭上で感じ、
彼に触れているという羞恥心が
一気に湧き上がる。

目的のモノを少し乱暴に取り出し、
急いで距離を取った。

私が起こした衝撃で
白衣の裾が…


「揺らすな、バカ!!!」

「へ?」

「起きるだろうが、あいつらが!」

「は、はい?」


何言ってるんだろう?

あいつら?


キョロキョロと辺りを見回すけれど、
私と彼以外
誰もいない…。

羞恥心が
大きな疑問にすり替わって、
今まで
直視できなかった美しい顔を見る。

彼は…
悩ましげに眉間に皺を寄せ、
何かを忙しなく見ている。


何か…


ポケット?


その人は
自分の左右のポケットを
心配?…していた。

そう言えばずっと
ポケットに両手を入れたまま…。

手を出せば、
花びらも取れるし、
煙草だって…。

なんでこんな簡単なことに
気が付かないんだろう?


「あ、あのぉ…」

「!?」


私の声で
悩ましげに細められていた瞳が
大きく見開かれた。

忘れていた!
と言わんばかりに…。


その時、
口に咥えていた煙草の灰が
ポトリと落ちた。




「「あ!」」




落ちて行く灰が
スローモーションの様に
ゆっくり
ゆっくり
見えて…




「あっ…つ―――」

「な!?」




思わず
掌を差し出してしまった。




「バカ野郎!
 手を出す奴があるか!」


あ…れ?


「落ちたか、灰?
 どこに当たった?」


焦ったように
私の両手を念入りに調べる。

今まで白衣のポケットに
隠れていた手で…。


「手、出せるんですね?」

「はぁ?
 何言ってるんだ、お前?」

「…花びら、まだついてますよ?」

「…。」


その言葉には反応せず、
まだ私の手を見ている…。

そして、
左手人差し指の先端に
小さな赤をみつけた。


「ここに当たったのか…。」


ぐいっと左手を引き寄せる。

赤い印がある
人差し指には触れないように。

私は…
こんな恥ずかしい状況なのに
彼の唇に留まり続ける
薄桃色の花びらが気になって…
空いている方の右手を伸ばした。


「―――!」


何か言いたげに動いた唇には触れないように
そっと花びらを剥がす。

そしてようやく…
追いかけた一片は
私の掌に収まった。




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