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出会いはやわらかく、あたたかく…1

パンフレットで見るより
何倍も凄い…。




その見事な桜並木に圧倒されて、
私は口をぽかんと開けたまま
ただ上を見上げていた。

左右から伸びた枝枝で
空さえも見えない。

見えるのは
桃色の世界…。




今朝、
制服のタイが上手く結べずに
出かけるのが随分遅れてしまった。

おそらく、
入学式が行われる聖堂は
この並木道の先にある。

前にも後ろにも誰もいない。

もうすぐ式が始まる時間なんだから
それって当り前で、
私も急ぐべきなんだけど…
なぜか動けずにいた。




春の風が花びらを揺らし、
私の体に次々と桃色を落とす。

染まっていく身体に
まるで自分も
この風景の一部になったような
そんな錯覚を覚えた。

目を閉じ、
深呼吸をする。

桜の花には
ほとんど香りが無いと
聞いたことがあったけれど、
こうして深く吸い込むと、
かすかな淡い香りがした。

何度目かの深呼吸をしたところでふと、
頬に当たる風が
止んでいる事に気付く。

そっと目を開けると、
舞い落ちていた花びらも
ぴたりと動きを止めていた。

違和感に再び見上げると、
一片の小さな花びらが
ゆっくりゆっくり
落ちてくるのが見えた。


「あ!」


私は条件反射のように手を伸ばし、
両の掌を上に向け、
到着を待つ。

その時…、


「これが欲しいの?」


明るく軽やかな声が聞こえ、
すぐ後ろで体温を感じた。

そして
私の伸ばした手の十数センチ上に、
別の掌が広げられる。


「え!?」


間もなく花びらは
私の背後から手を伸ばす人物の掌に着地した。


「よぉし、ゲットしたよ♪」


嬉しそうな声を上げながら、
目の前に回ってきたその人は、


「はい。どうぞ。」


春の日差しよりも柔らかく、
頬をくすぐる風よりも爽やかに、
ニッコリ笑って手を差し出した。

掌にちょこんと乗せられた花びら。


「不思議な物欲しがるんだね?
なーんか、かわいっっ♪」


そうクスっと笑って、
私の顔を覗き込む。

あまりにも近くて、
茶色の髪が
頬に触れてしまいそう!


「あれ?固まってる?
ビックリさせちゃった?
ごめんね、急に声かけたりして。」


本当に申し訳ないといった声音に
小さく首を横に振る。


「許してくれるの?
じゃあ、これ。」


だらんと降りたままだった私の右手を掴み、
そっと花びらを移した。

その人の掌より
一回りは小さい私の手に
薄桃色の一片が収まる。


「あ、あの、ありがとうございます…。」


ようやく口から出た言葉に、


「どういたしまして!」


と、さらに破顔した。

警戒心が無用なことなんて
誰が見ても分かるような
人懐っこい笑顔。

くしゃくしゃな笑顔で
隠されてはいるけれど、
その容姿はアイドルのように整っている。

きれいな二重に
形の良い眉、
唇なんかサクランボみたい。

ゆるふわのパーマも
とっても似合ってて…。


なんか、この人、
すっごくかわいい…。

男の子なんだけど。 




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