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誕生日の奇跡132

「手術が決まった後、
 私の心はどんどん不安定になっていったの。
 良い母、良い妻でいたいのに
 それができないほど…。
 体の症状より心が痛かった。
 深い暗闇を彷徨ってた。
 湯豆腐屋さんで海と会った時は
 まだその入り口だったから、
 夫ともそういうこともあるよねって笑って…。
 ホントよ。
 私、そういうことに偏見は無いつもりだったから。」

「つもり…。」

「そうなの。
 結局、“つもり”だったの。
 時間が経つにつれ、
 色々なことがままならないイライラが
 海に向いて…。
 そして、実家に行った。
 海が…男と付き合ってるって告げ口をしに…。」

「…そう。」

「でも、父さんと母さんの顔見たら言えなくてね。
 その迷ってる様子を病気のことと勘違いしたみたいで、
 言われたの…

  もう、ひとりで苦しむな。
  私たちは全部知ってる。
  お前の病気のことは…。

 って。」

「え?」

「…笑っちゃうでしょ?
 一生懸命隠してたのに、
 知ってたのよ、親も夫も。
 まぁ、当然よね。
 死ぬかも知れないってことを家族に言わないなんて、
 後で問題になり得ること、医者はしないわよね。」

「…」

「だからね、あの日。
 海が告白した日、
 まだ知らなかったの、父さんも母さんも。」

「っっ―――!?」

「海を実家に呼んだのは、
 私の病気のことを言うためだったの。」

「じゃ…あ、俺…。」

「…でもね、
 私、言うつもりだったから…。
 あの場でね。
 だから、遅かれ早かれわかることだったのよ。」

「…」

「あの時の私の心、もう壊れかけてた。
 毎日、毎日、
 何もかもを海のせいにしてた。
 医大生のくせに
 どうして私の病気に気付いてくれなかったの?とか、
 私を苦しめる為に
 わざと湯豆腐屋へ来たんじゃないの?とか、
 本当にサイテーな考えばかりが浮かんできて…。
 そんな考えしか出来ない自分が嫌で…。」

「姉さん…。」

「触らないでって言った瞬間のあなたの顔、
 私、一生忘れないと思う。
 絶望が張り付いたあの顔…。
 そして…
 私は壊れた…。」
 



月香さんの瞳から涙が溢れる。

それでも、
言葉は途切れることは無い。

すべてを吐き出して、
そこからスタートするために…。


 ぽちりに感謝カンゲキ雨嵐<(_ _*)>



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