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誕生日の奇跡121

「姉さん?海の?
 一体、どう…」

「愛未。」


私は質問を遮るように
首を横に振った。

意図を察してくれたのか、
愛未は黙って椅子に座る。

優太くんもそれに倣い、
愛未の隣に腰かけた。

静かになった店内で
私もそっと移動する。




「海。久しぶり。」

「姉さん…、どうして…。」

「桃ちゃんがね、手紙をくれたの。
 今日、良かったら来てくれませんかってね。」

「桃ちゃんが!?」

「そう。
 あなた、良い友達が出来たのね。」


海先輩を見つめながら、
微笑む月香さん。

柔らかな笑顔に反して、
その体は折れそうなほど細い。

羽織った薄手のカーディガンが
サイズ違いのように余っていた。


「…随分、痩せたね。俺の…せい…だ。」


直視するのが耐えきれなくなったのか、
先輩は月香さんから目を逸らした。


「海。
 今日はそんな事を言う為にここに来たんじゃないの。
 私が…こうなったのは誰のせいでもない。
 もちろん、海のせいなんて絶対ない。」

「うそ…つくなよ。
 いいんだよ、俺が悪いんだ。
 頼むから、もっと責めてくれよ。」


先輩は
心の底から絞り出すような声を上げ、
膝から崩れ落ちるようにしゃがみ込んだ。


「海…。」


月香さんは足元にうずくまる弟を
とても…
とても悲しそうな顔で抱きしめた。

スカートが汚れることも気にせずに、
自身も跪いて…。


「責められるべきは私。
 私の方こそ、そう思っていたの。
 ずっと、長い間…。」


ゆっくりと先輩の背中をさする。

やがて、
先輩の嗚咽が小さくなった頃、
月香さんはバッグから2通の封筒を取り出した。


「これを読んで…、海。」


小枝の様な細い指が持つそれは、
月香さんが先輩に宛てた手紙と
私が月香さんに宛てた手紙だった。


 ぽちりに感謝カンゲキ雨嵐<(_ _*)>



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