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誕生日の奇跡120

ゴンッッ…


先輩の手から滑り落ちた日本酒の瓶が
鈍い音を上げた後、コロコロと転がってゆく。


「先輩?」

「海?」


明らかに様子がおかしい先輩を
訝しげに見る優太くんと愛未。

その先輩は
青い顔のまま、
入り口に立つ女性を見つめている。

ちょうど、その女性と先輩の間に座っていたお母さんは
何かを察知したのか、
スクッと立ち上がり、カウンターの方へ移動した。

途中で転がった酒瓶を拾って…。




少し開いた
先輩の唇が震えている。

その震えが
言葉を紡ぐ作業の邪魔をする。


「誰なの?海の知ってる人?」


愛未の質問にも答えない。

いや、答えられないんだろう。

見開いた目が
動揺で揺れ続けていた。




私は一度だけ深呼吸をして、
ゆっくり歩き出す。

そして先輩の横を通り、
女性の前に立った。




瞳が私を捉える。

それを真っ直ぐに見つめ返した。




できるだけ、いつもの自分で…。

できるだけ、いつもの笑顔で…。




やがて、
緊張の色が薄れ、


「あなたが桃ちゃんね?」


耳に心地良い
落ち着いたトーンの声が聞こえた。


「はい。
 来てくれて嬉しいです、月香さん。」

「こちらこそ。
 お招きいただいて…」




優しい笑顔…。

先輩にとてもよく似た…。




「姉さん…」




掠れた声が愛しい人を呼ぶ。

そして、
声とともに溢れた涙が
先輩の頬を濡らした。


 ぽちりに感謝カンゲキ雨嵐<(_ _*)>



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