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誕生日の奇跡77

部室に着くと、
先輩はすでにメニュー作りを始めていた。

というより、1冊作り終えそうな勢い。


「あれ?これ2冊目のだよね。」

「あぁ…うん…。」


不審げに
写真とレースペーパーが貼られたメニューを
手に取る愛未に
微妙な返事を返す先輩。


「海。授業出なかったの?」

「…。」


その質問には答えず、
黙々と作業を続ける様子に何かを感じたのか、
愛未はそれ以上追及しなかった。




結局、
優太くんが持って帰った材料は6冊分。

それは、
私がメニューの説明を書き終えていたものの
すべてだった。


「今頃、優太も同じことしてんのかな?」


レースペーパーを貼りながら、愛未が言う。


「器用だからね。
 愛未より、上手く貼ってんじゃない?」


先輩の言葉に
愛未は怒り、
私は笑った。

欠けたピースを補うように、
会話のあちこちに
“優太”というワードが入り込む。

それだけ大事なんだ。

優太くんの存在が。

少しのことで
心が折れてしまった自分が恥ずかしい。


もっと強く…。


強く、なりたい…。




「明日には仕上がりそうね。」


完成されてない材料はあと1冊分。

確かに愛未の言う通り、
明日には余裕で仕上がるけど…


「今日中に出来るんじゃない?
 まだこんな時間だし。」


いつもなら、
これから1時間は作業してる。

何でも後回しにするのが嫌いな愛未。

らしくない言葉に首を傾げた。

でも、そんな私に、


「今日は早く帰んなさい。
 まだ、本調子じゃないでしょ?」


と言って、
片付けを始めてしまった。


「え?具合悪いの?
 そう言えば顔色が…。」


先輩は心配げに私を覗き込む。


「だ、だいじょうぶです!
 もう平気ですからっっ!!!」


“元気”ということを伝えようと
ダブルピース付きの笑顔を見せてみたけど、
先輩は納得しなかったようで、
愛未に視線を移した。


「さっきまで保健室にいたのよ、このコ。
 授業中、具合悪くなってね。
 という訳だから、
 海、送ってってくれる?」

「それはもちろんだけど、愛未は?」

「ちょっとねぇ。」

「例の第2報は?」

「それも含めて、明日報告する。」

「…俺に手伝えることは?」

「手伝うと、抜けられないけど?」

「な、なにからだよっっ!?」

「ふふふ。
 まぁ、吉報を待てってことよ。
 上手くいけば
 桃、
 それから…
 海、あんたも、
 明日の授業は静かに受けられるから。」


そう言い残し、
愛未は颯爽と部室を出ていった。




そして、
静まり返った部室に
先輩のひと言が響く…。




「愛未って、深い…。」




私も
そう思います。


 ぽちりに感謝カンゲキ雨嵐<(_ _*)>



 
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