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誕生日の奇跡61

「富田はるか…。
 そういうことか…。」


先輩はとうとう
フォークをトレイに置いてしまい、
空いた両手で頭を抱えた。

そんな先輩の姿を横目に、
情感たっぷりにメールの一文を読む愛未。




「この先の話…
 正直、文字にするのも憂鬱です。
 覚悟はいいですか?」




ごくり…




先輩の喉が鳴った。




「北川さん。
 あなたの事ですので、
 富田はるかや富田家について
 かなりの知識をお持ちだと思いますが、
 毎月行われる“家族の健康診断”のことを
 ご存知ですか?」




「何、それ…?」


これまで淡々と文面を読み上げていた愛未が
初めて自分の意思で中断する。


「変態プレイ的なことじゃないといいけど…。」


そう言って、私をチラリ…。




愛未、
私は大丈夫。

もうすでに
頭がついていってないから…。




「あは…は…。」


呆けたような笑顔を向けると、
愛未はハァ…と小さくため息をついて、
携帯の画面に視線を戻した。




「それは、父親の
 “家族の病気をいち早く発見したい”
 という名目によって
 ウチの病院で毎月行われているもので、
 身体測定、
 尿血液検査、
 胸部X線検査などの一通りの検査が、
 さも当り前のように
 毎月繰り返されていました。

 私が思うに、
 その健康診断
 ただの“監視”だと…。
 そして、
 おバカな富田はるかは
 その“監視”に引っかかった。

 そう。
 妊娠検査です。

 病院から妊娠の知らせを受けた父親は
 電話で娘に問い質しました。
 おそらく、
 相手は誰だ?とも。
 そこで彼女は
 今現在、夢中になっている
 プードルの名を出したのです。
 そしてその後、
 自殺騒ぎを起こしました。
 もちろん、
 プードルの心を繋ぎとめておこうとする
 完全なる自演です。
 まぁ、そもそも、
 プードルの心は
 ピーチ姫にあるんですから、
 繋ぎとめるという表現自体が間違っていますが…。

 それにしても、
 なんていう女なんでしょうね。
 私が管理する妄想の世界でも
 こんなエゲツない女は、なかなかいません。

 とりあえず、今はここまでです。
 お役に立てたでしょうか?

 しかし、こうしている間にも
 情報がどんどん入ってきています。
 タレ込みが異常に多くて、ゲンナリです。
 どれだけ人に恨まれてるんでしょうね。

 また、厳選してお知らせします。」




愛未は静かに携帯を置いた。

先輩はさっきの体勢から
微動だにしない。

私は、
頭の芯がガンガンして…

目尻から涙が落ちた。


 ぽちりに感謝カンゲキ雨嵐<(_ _*)>



 
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