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誕生日の奇跡24

お母さんの誕生日まで
あと4日と迫ったこの日、
早朝から降り出した雨は
1時限目を過ぎた頃、本降りとなった。

朝、教室で顔を合わせた優太くんは
普段と変わらない笑顔だったけど、
微妙な違和感のようなものを覚えた。

いつものように
女の子の悩み事を聞いてあげながらも
どこか上の空…。

朝のあいさつをするために教室に来た海先輩も
その違和感を感じたみたいで、
「優太、なにかあったのかな?」
と、心配しながら帰っていった。

夕べの、あのことには
“無かったこと”のように、触れてこない…。

もちろん、私から聞くことも出来ずに
雨の中の授業は淡々と進んでゆく…。




2時限目が終わり、
教室を出ようとした時、
担任の小森先生に声をかけられた。

「中村くん、ちょっといいかしら。」

「…はい。」

先生の表情は硬く、
ただの世間話では無いことは容易に判断できた。

優太くんはまるで
このことを予感していたように
表情ひとつ変えず、

「桃ちゃん、先にお昼行って。」

そう私に告げ、
教室を出ていく。




優太くんが先生と出ていった直後、
海先輩が教室に現れた。

「あ…れ?優太は?」

開口一番、優太くんの所在を聞かれる。

「担任の小森先生と、どこかに行きました。」

なんとも頼りない答えだけど
ホントにそれしか言いようがない…。

私の顔を見て、
これ以上聞いても無駄だと判断したのか、

「カフェ、行こっか。
 優太も終わったらくるだろ?」

と、歩き出す先輩。

思いっきり“不安”を顔に張り付けたまま
のろのろと先輩の後を追った。




背の高い先輩と歩幅が違うせいか、
それとも
動揺で足がうまく動いてくれないせいか、
先輩との距離がどんどん離れてゆく。

小走りでようやく追いついた時、
先輩が急に立ち止まり、
焦ったように振り返った。

「ごめんっっ!
 女の子と歩くの慣れてなくて!」

照れくさそうに頭を掻きながら、
必死で謝る先輩に対し、

「あ、あのっっ!
 私の方こそ、歩くの遅くてごめんなさいっっ!」

と、
こちらも負けじとおじぎをしながら謝る。

それは
人が見たらおかしな光景で…。

はたと気付いた先輩と私は
同時に吹き出した。

笑顔が不安を和らげてゆく…。


「桃ちゃん、優太は大丈夫。
 俺よりしっかりしてるから。」


そう言って歩き出した先輩との距離が
離れることはもう無かった。


 ぽちりに感謝カンゲキ雨嵐<(_ _*)>



 
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