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やさしい雨22.90

「つめたいっっ!」

痺れを切らした雨雲が
一滴のしずくを桃に落とした。

それは、涙と見間違うような位置で
俺の代わりに泣いてくれているようだった。

そのしずくを指で拭って、

「予想的中だな。」

と笑う。

桃を…
運命を…
受け入れた今
不思議なほど心が軽かった。

待っていたんだ、ずっと。

俺を裁いてくれる天使を…。




降り出した雨は
優しくも確実にふたりを濡らしていった。

桃に着ていた白衣をかけてやる。

本当は帰れと促すべきなのだろうが、
もう少し、隣にいて欲しいと素直に思った。

「大丈夫です!先生が濡れちゃうっっ!」

桃は急いで白衣を返そうとする。

そうだろうな。

お前ならそう言うと思っていた。

だから、

「お前にかけたんじゃない、カメラにかけたんだ。」

そう、いつもらしく言ってやる。

跪き、審判を待つ
醜い俺を隠して…。




それなのに、
尚も俺を気遣う桃。

小さな体を伸ばして
俺の頭に白衣をかけようとしている。




そんなとこまで似てるんだな。




マコにそっくりな天使が
10代の姿で現れたのも
きっと意味があるんだろう…。

忘れようとしていた青春を
思い出させるためなのか、
それとも、俺を
より効果的に苦しめるためなのか。




いいさ。

受け入れるよ。




甘く
ほろ苦い
青春のすべてを思い出し、




そして…




血の涙を流そう。




桃。

君の隣でね。




ふたりで入る白衣の中は
心地よ過ぎて
何度も目眩に襲われた。

小さな桃をこの手に抱きしめ、
今すぐ懺悔したい…
そんな衝動が心を蝕む。

そんな欲望をかき消すように
雨の中、
ただひたすら
話し続けた…。

いつもより口数が多い俺を
不思議そうに見つめる桃。

君は
すべてを知っても
俺とこうして
白衣の中にいられるのだろうか…。

いや、
もう知っているのか…。




別れ際、
走り書きしたメモと
屋上の鍵をポケットに忍ばせ、
白衣を桃に渡した。




待ってるよ。




ここで…




この場所で…。




桃が帰った後も
ひとり雨に身を任せた…。




天使の温もりが
体から消え去るまで…。


 ぽちりに感謝カンゲキ雨嵐<(_ _*)>



 
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