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出会いは、やわらかく、あたたかく…7

短大生活2日目は
明日からの本格的な授業開始の前に、
午前は各授業のオリエンテーション、
午後はサークルの紹介と、
いかにも大学生らしい1日。

優太くんは何かと気にかけてくれ、
お昼も誘ってくれた。


「桃ちゃん、一人なら僕とカフェに行かない?
この学食すっごいオシャレなんだって。」

「あ、うん。ありがとう。
でも、先約があって…。」

「もしかして、愛未ちゃん?」

「うん。」

「そっか…」


愛未とは学科が違うから、
昼食ぐらいは一緒にと前々から約束していた。

でも、
優太くんのがっかりした表情を見たら…


「良かったら一緒に…」


こう言い出さずにはいられなかった。

(良いよね?愛未に相談してないけど…。)

昨日の2人のやり取りを思い返す。

愛未のキツめの言葉たちを
サラリとかわす優太くん。

(うん。大丈夫。)


「ふふ。」


3人での楽しい昼食を想像して、
思わず笑いが漏れた。


「ん?僕と一緒がそんなにうれし?」

「!?」


正解だけど正解じゃない優太くんのひと言と、


「じゃ、早く行こ♪」

「えっっ!?わわわわ!!!」


当り前のように握られた手に
素っ頓狂な声が飛び出す。


「真っ赤になって、ホント君ってかわいっっ♪」

「//////」


手を引っぱられながら、
駆け抜ける廊下。

桜の下で出逢ってから、
ビックリすることばかり。

アナタは
前向きで、
大胆で、
ホントに不思議なひと…。

繋がれた手は熱くて、
おまけに
頬も耳も熱くて、
でも…、
嫌じゃない。

そんな気持ちになってる自分自身が
一番…不思議。



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出会いは危険な大人の香り…6

声は
少し開いた扉の隙間から聞こえてきた。

もっと言うと、

『私の背中がある為に
 少ししか開かなかった扉の隙間から
 必死に中を覗いている人物の声』

が聞こえてきた。


「ちょっと、チビッコ!どいてよ!」


チ、チビッコ!?


「私、でしょうか?」

「そうとしか取れんだろ?」


外界から声が聞こえると同時に、
私の手を離した目の前の人に聞く。

さっきまでは危険な存在だった人が
今は唯一、“知っている”存在なのだ。


「どいて良いんですか?」

「良いも悪いも、ここはアレの部屋だ。」

「え!?」


ということは…

私は慌てて扉の前から移動した。

ただ…


「もぉ!扉の前でイチャつかないでよ!
 僕の神聖な部屋が穢れちゃう!」


そう言いながら飛び込んできた人は
私とそうは目線の高さが変わらない…


「おい、ミユ。
 お前がこいつにチビッコって…。
 言ってて恥ずかしくないか?」


チビッコさんだった。




ミユと呼ばれているチビッコさんは、
長身さんとは別の部類のキレイな人で、
大きな二重の瞳がとても印象的な『美女』顔。

でも、白衣の下は
おへそが見えるほど短いタンクトップに
黒レザーのホットパンツ。

長いレオパード柄のストールを首に巻き、
前面にベルトがたくさんついた
厚底のロングブーツを履いている。


す、すっごく、個性的なファッション…。

校医さん、なんだよね?


耳に光るクロス柄のピアスを見つめながら、
とっても心配になってしまった。
(余計なお世話だろうけど)




それから暫らくの間、
2人の白衣さんの言い争いは続いた。


「それ脱いだら、同じぐらいの背じゃないか。」

「うるさいよ!人が気にしてることを!
 あと、ミユって呼ぶな!」

「背のこと言いだしたのお前だろうが。
 あと、キョウって呼ぶんじゃない。」

「そっちが呼ばなければ言わないよ!」

「それはコッチの台詞だ。」

「む~!」


所々、


「コレを持ちだすとはどういうつもりだ?」

「僕知らないよ。」

「どうせ、裏で糸を引いているのは教授だろう?」

「なんのことかなぁ?」


と、よくわからない内容もあったけど、
どうやらお友達同士のちょっとしたケンカのような感じで…、


放っておいても大丈夫、だよね?


私は扉まで移動し、2人に背を向けた。


そう。

スッカリ忘れてたけど、
今日は大事な入学式の日!

今から行くと式の途中になるけど、
式を丸々すっぽかすよりは良いに決まってる。


音をたてないように
慎重にドアノブを回した。

何となく、
ホントに何となくだけど、
声をかけずに出て行くのが正解のような気がして
無言のまま一歩外に出る。


「待て。」
「待ってよ。」


…二歩目はありませんでしたけど。




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出会いはサイテー、サイアクで…6

教室に入った優太くんは
何もかもを吹き飛ばすような
元気いっぱいの声で、


「僕の名前は中村優太。
 こっちのちっちゃい子は
 白石桃ちゃん。
 僕は女の子を大切にする男だから、
 迷子になってた子猫ちゃんを
 エスコートしてきましたー♪」


そう言って、
ピースサインを両手で作った。

屈託のない笑顔と
大胆な言い訳に
どこからともなく
クスクスと笑いが起こる。

でも、
担任と思われる壇上の先生に、


「白石さんは
 迷子で遅刻っていうのはわかったけれど、
 その迷子とそこで会うってことは、
 あなたは完全に遅刻してたのね、中村君?」


と透かさず指摘され、


「あは♪バレちゃいました?」


舌をぺろりと出して、照れ笑い。

これには
さすがの先生までも破顔した。

こんなキュートな笑顔を見せられたら、
鬼ヶ島の鬼だって
戦わずして降参しちゃうと思う。

お陰で、
遅刻のお小言は
ほんのちょっぴりで済んでしまった。




誰もが緊張する入学式の日。

このクラスは
笑顔で溢れていた。

優太くんを中心にして。


「桃ちゃん、ヨロシクね!」

「桃ちゃん、入学早々大変だったね(笑)」


私にもどんどん声がかけられる。


「うん。こちらこそ、ヨロシクね!」

「どうもありがとう!」


私もどんどん返事をする。

そしていつの間にか、
笑顔の輪の中に入っていた。


 ―僕に任せて。
  大丈夫。悪いようにしない。―


教室に入る前、
優太くんがかけてくれた言葉。

まさかここまで
“良い”ようになるなんて…。

振り返って
優太くんの席の方を見ると
視線に気付いたのか
ニッコリと笑ってくれた。

私は優太くんの瞳に向かって
唇だけで「ありがとう」と伝える。

できるかぎりの笑顔とともに…。

そのお返しは
誰もが蕩けるようなウインクだった。








「ふぅ。
 まだまだ、順番来そうにないね…。」

「うん。」

「先にお昼にすれば良かったぁ。」

「はは、そうだね。」


入学式とオリエンテーションで
短大初日は終了。

愛未と私はその足で、
授業で使う教科書や参考書を買いに
指定の書店に来ていた。

授業が始まる明後日までに
揃えておかなくてはならない為、
指定の書店―多治見書房―の店内は
聖マリアンヌの生徒で溢れていた。


「まぁ、良かったじゃん。
 遅刻すれども怒られず、
 イケメンまで釣り上げたんだから。」


教科書販売用の仮設レジの列に並びながら、
優太くんとの出会いや
教室での出来事を愛未に話したら、
身も蓋も無いようなひと言が返ってきた。


「釣り上げたってっっ!言い方ひどい!」

「私は褒めてんの。
 桃にしては良くやったってね。
 だってさ、短大内で
 男子、しかも、イケメンと友達になれる確率って
 相当低いと思うよ。」

「優太くんはクラス全員と友達になったの!
 みんなに優しいの!」

「…そんなにムキになんなくても。
 逆に怪しいって。
 もしかして、惚れた?」

「っっ!?」


余りにも唐突な質問に
一瞬で耳まで赤くなる。

取り敢えず否定しなきゃと
口を開きかけた時、
さらに信じられない質問が…。


「ん?そうなの?好きになっちゃった?」


それはいつの間にかすぐ後ろにいた
優太くんからのものだった。




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出会いは、やわらかく、あたたかく…6

「洋子ママ、ここA定ね。」

「こっちはビールと何かつまみ~。」

「はいは~い。ちょっと待ってね~。
 桃、徳さんのとこにビールお願い。」

「うん。」


午後7時。

ここは、母親が営む
『カフェレスト ママの店』。

“カフェ”とついてはいるけど
所謂昔ながらの喫茶店で、
コーヒー、ビール、
ホットケーキに定食…
雑多に色々なメニューを置いている。

私は八百屋の徳さんにビールを出した後、
お母さんを手伝う為にキッチンに入った。


「なんだか今日は忙しいね。」

「そうねぇ。」


最近無かった賑わいに
お母さんも私も驚きを隠せない。




商店街の一角にあるこの店は
私が生まれた時には
とっくに存在していたらしい。

ほとんどのお客さんが
商店街で商売をしている常連さんで
小さい頃からの顔見知りだから、
男の人が苦手な私でも
さすがに“大丈夫な人”ばかり。

さっきビールを持っていった徳さんなんかは、


「俺が桃ちゃんのおむつ、替えてやってたんだぞ!」


が、口癖。

ビールを半分あける頃には…、


「俺はぁ、この桃ちゃんのぉ~」


やっぱり(笑)


「ま~た始めちまいやがった。
 徳よぉ。
 桃ちゃんもお年頃なんだから、
 そろそろおむつの話は卒業してやんなよ。」

「ああん?魚屋ぁ、何言ってんだい?
 卒業じゃなくて、入学だろ?
 だからこうして集まって…」

「あ!ばかっっ!
 まだ、言うなって!!!」


ん?

いつもと流れが違うような…。


「徳ちゃん!
 それはみんな揃ってからって
 打ち合わせしたじゃねぇか!」

「なんでぇ!花屋まで!
 ちょこっとぐれぇ、かまやしねぇだろ?
 桃ちゃんもわかっちゃいねぇよ!
 なぁ?」

「あ…はい。っと、え?何?」


首を傾げながらお母さんを見ると、
何かを悟ったように
苦笑いしていた。

どうやら今日の賑わいは
ただの偶然じゃ…ない?




それから、小一時間ほどで
商店街の顔馴染みさんが顔を揃えた。

中には、
昼間行った多治見書房のおじさんもいる。


「じゃあ、そろそろいいか?」


さっき怒られて
少し大人しくなっていた徳さんが
ここぞとばかりに立ち上がった。

それに合わせて、
そこにいた全員が立ち上がる。




私はこの晩のことを
一生忘れないだろう。


照れながら、


「桃ちゃん入学おめでとう。」


と言った、徳さんを。


目尻に涙を浮かべて、


「洋子ちゃん、ここまでよくがんばったなぁ。」


と言った、魚屋の重さんを。

みんなの拍手を…
笑顔を…

私、忘れない。




「釣りはいらないから。」


結局みんな、
合言葉のように同じひと言を口にして、
提供したものに見合わない金額を支払って帰った。

お釣りを返そうとするお母さんを
振り切るようにして。

最後のお客さん、
多治見のおじさんから、


「キチンした形にすると、
 洋子ちゃん受け取らないだろ?」


そう聞いて、
お母さんもようやく納得したようだった。

嬉しさと申し訳なさが入り混じった表情で、


「ありがとうございます。」


と、深々と頭を下げる。

私もその隣で頭を下げた。

床に涙が
水たまりを作るまで…。




ただね、おじさん。

あんなお土産はいらなかったよぉ。


「あのイケメンは彼氏かい?」

「っっ!?」


お母さんの質問攻撃、
ホントに、
ホントに、
凄かったんだからぁ。




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出会いは危険な大人の香り…5

「あ、あの…」


忙しなく揺れる瞳は
決して俺の視線とは合わない。

合わせない方が
難しいような距離なのに、だ。

まだ何もしていないのに
ここまで怯えたような態度を見せられると…。

野兎を追う獣というのは
こういう気持なのかも知れない。

追い込んで、
追い詰めて、
…狩る。

俺は女の顎を右手で持ち、
視線と視線を交り合わせて、
こう言った。


「聞け。」


と。








動けない…。

顎を支えられ、
無理やり捕えられた視線。

今まで無機質だったその人の瞳が
怪しく色付いたような気がした。

体が震える。

恐怖なのか、
それとも…。








触れている部分から
震えが伝わってくる。

構わずにすっと撫で上げ、
そのまま治療した左手に伸ばす。

細い手首…。

男の力なら
簡単に手折れるだろう。

痛みを感じる寸前の力でその手首を持ち、
唇すれすれまで引き寄せる。


「!?」


女は自分の指と俺の唇を
瞬きもせず見つめていた。

涙が薄っすら浮かぶ、
濡れた瞳で。


子供のくせに
なかなか扇情的な目をするじゃないか。


そんな事を思いながら、
白い包帯に唇を寄せた。


こうすればお前は、
どんな顔をする?


これはもはや、
腹を満たす為の狩りでは無かった。








包帯を通しても
唇の柔らかさを感じられて、
僅かに動いていた思考は
完全にストップした。

私なのに私じゃない。

呼吸が出来ているのかもわからない。


「コレの治療に来いと言ったんだ。」


濃い霧の向こうで
誰かの声がする。


「わかったか?」


その言葉に
なんとか首を動かした時、


「うわっっ!
 キョウったらイケないことしてるぅ!!!」


背後から突然大きな声がして、
霧の世界から一気に覚醒した。




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出会いはサイテー、サイアクで…5

ふぅん。

ユータって言うのか。

ユータ…、

ユータ…、

かぁいいな(てへ♡)

でもよぉ、
結局あの女が、


「え…と、食物学科がある棟ってどこですか?」


とかしおらしく聞きやがるから、
優しいユータは…

優しい、
ユータ…


「!?」


おおっとヒラメイタ!!

多分、
ユータってこう書くんだな。

“優”しく握れば“太”く硬くなっちゃう
イケないバンビ『優太』くん♪

へへ、
俺って何気に天才?




あ~あ、しっかし残念だ!

あのチンケな女さえいなければ、
俺がさらって(太く硬くして)やったのに。

なんでか、優太の方が
女の手ぇ握って行っちまいやがった。

くそ!

俺より先に
バンビの手の感触を味わうなんて…、
マジで許せねぇ。

今度、周りをうろついてたら、
淫乱女だっつってネットに流してやる。

確か、
モモって言ってたな。

モモか…

多分、
『桃』って書くんだろうな…。


「…―――」


ま、
どぉでもいいけどさ。








「よし、行こう!」

「え?」




柔らかい笑顔に背中を押されて、


「え…と、食物学科がある棟ってどこですか?」


そう聞いた私の手を取り、
優太くんは走り出した。


「え!?あ、あのっっ!」

「俺もそこに行くから。
 一緒に、ね。」

「あ…、はい。
 いえ、あの、でも…」


手…
繋がなきゃいけないのかな?

とは聞けずに、
されるがままに…走った。

途中、優太くんは、
何かを気にするように
数回後ろを見ていたけれど、
私と視線が合うと
ただニッコリと笑うだけ。

やがて、校舎の中に入ると、


「ありがとう。」


なぜか、お礼を言って、
手を離してくれた。

お礼を言うのは
コッチなのに…。




『食物学科A』


そう書かれた教室のドアの前に
ふたりで立っている。

遅刻している身としては入りにくい…、
のが当たり前なんだけど、
不思議と私は落ち着いていた。




「桃ちゃんは白石だからAクラスだよね?」

「はい。」

「じゃあ、今日からクラスメイトだ。」

「え?」

「ヨロシクね♪」




心強い“仲間”が隣にいるから。

男の子が短大の食物学科って
珍しい組み合わせのような気がするけど、
今はその選択に心から感謝!

ひとりじゃ、このドアは
開けられなかったと思うから…。




「僕に任せて。
 大丈夫。悪いようにしない。」

「はい。」

「じゃなくて?」

「う…ん?」

「よく出来ましたぁ♪
 じゃあ、開けるよ?」

「…うん!」




そして、優太くんは
教室のドアを勢いよく開けた。





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出会いは、やわらかく、あたたかく…5

「ふぅ。
 まだまだ、順番来そうにないね…。」

「うん。」

「先にお昼にすれば良かったぁ。」

「はは、そうだね。」


入学式とオリエンテーションで
短大初日は終了。

愛未と私はその足で、
授業で使う教科書や参考書を買いに
指定の書店に来ていた。

授業が始まる明後日までに
揃えておかなくてはならない為、
指定の書店―多治見書房―の店内は
聖マリアンヌの生徒で溢れていた。


「ほんっと女子ばっか。」


教科書販売用の仮設レジの列に並びながら
愛未はうんざりしたような声を出した。

それを聞いた周りの女の子は
同感とばかりにくすくす笑う。

多分きっと、

“男の子との出会いが少なくて嫌”

って意味に取ったんだろう。

でも、愛未のそれは…


「女子特有のドロドロネチネチ、
 嫌なんだよねぇ。」

「ま、愛未!声、おっきい!」

「ふん。」


…さっき、笑ってくれてた女の子たち、
睨んでます、よ(涙)

そんな視線は気にせず、
愛未さまは何処吹く風…。

声のボリュームを落とすことも無く、


「ま、良かったじゃん。
 桃はイケメンと仲良くなれて。」


と、さらに挑発的な言葉を繰り出す。


「な、仲良くって、みんなだよ!
 クラス全員仲良くなったの!」

「ふ~ん。
 クラス全員の手、握ったの?」

「そ、それは…」


言葉に詰まった私を
ニヤニヤと覗きこむ愛未。


ど、どうしよう…。

ここで黙ったままだと
周りの人に変に思われちゃう!

上手い言葉が見つからないまま、
口を開きかけたその時、


「握ったよぉ、全員♪」


列の後ろの方から
春風のような声がした。




ゆ、優太くん!?


黄色いざわめきを背負って、
声の主が近づいてくる。

愛未は…

さっきと同じ、
ニヤニヤした表情のまま。

もしかして、いるの知ってた?

横目でキッと睨むと、


「あれ~?
 噂のお友達じゃん!
 紹介してよ、桃!」


わざとらしい芝居口調で
そう言った。




「やぁ、桃ちゃん♪」

「あ、うん。
 こ、こんにちは。」

「ふふ。こんにちは。」


隣に立つ優太くんは
やっぱりとっても格好良くて、
女の子の注目を一身に浴びた。


う…。
こんな中、何言えばいいの?


助けを求めるように愛未を見ると、
愛未は愛未で
挑戦的な目を彼に向けている。

優太くんは
その目を怯むことなく受け止めていた。

すべてを包みこむような微笑みで…。




「はじめまして。
 桃ちゃんと同じクラスの中村優太です。」

「うん、知ってる。」

「そう?
 僕、有名人?」

「まぁね。派手な登場だったし。」

「あ、入学式?」

「…どういう気、あれ。」


優太くんは笑ってるけど、
愛未の目は…笑ってない。


「ま、愛未?」


流れる緊張に
空気が硬化する。

でも…、
それを柔らかくしたのも
やっぱり優太くんだった。


「僕さ、
 爪の先までフェミニストなの。
 だから、
 あそこで会ったのが君だったとしても…
 って、君、名前は?」

「…愛未。北川愛未。」

「愛未ちゃんかぁ。
 スッゴクかわいい名だね。」

「…」

「じゃあ、仕切り直し。
 僕さ、髪の毛一本までフェミニストなの。
 だから、
 あそこで会ったのが君だったとしても、
 こうして手を取って…(ぎゅうっっ)」


ええ!?


「連れて行ったよ、どこへでもね♪(うぃんくっっ)」

「…」

「ていうか、
 君だったとしても(ぎゅうっっ)」

「きゃあ♪」

「君だったとしても(ぎゅうっっ)」

「いやん♪」

「君だったとしても(ぎゅうっっ)」

「あふん♪」





「もう、やめーーーーっっい!!!
 あんた達もポッとしないっっ!!!」

「はは。ツッコミ厳しいね。
 でも、嫌いじゃない♪」

「ドMかっっ!?」


よくわからないけど、
この2人…


「うーーーん。どっちかっていうと
 Sだと思ってたんだけど…」

「本気で答えんな!」


仲良く…


「今のちょっとゾクゾクしたぁ♪
 やっぱ、僕M?」

「うるさい!」


なった?








これは、
かなり後に聞いた話。

あの時、多治見書房には、
入学式での私と優太くんを見て
良い印象を持たなかった
看護科の生徒がいたらしい。

そこで愛未は
優太くんが書店に入ってきたのを見て、
あんなことを…。


「優太が上手く乗ってこなかったら、
 一方的に悪者にして、
 噂の矛先を向けてやろうと思ってさ。」


愛未は悪びれもせずそう言ったけど、
勝算があったに違いない。

だって、
いきなり手を握って殴られなかった男の子は
優太くんだけなんだもん(笑)




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出会いは危険な大人の香り…4

「もう、いいぞ。」


小さな医務室に響く
低く落ち着いた声。

左人差し指に
器用に巻かれた白い包帯。

この状況の何もかもが
私を追い詰めてゆく。

治療を受けている間、
心臓の音が聞こえやしないか、
そればかりが気になっていた。


「あの…ありがとうございました。」


お辞儀をしながら、小さく礼を述べ、
椅子から立ち上がる。


早く、ここを…


これ以上
妖艶なオーラを纏った見知らぬ男性と
個室で時を過ごすのは、


も、もう…無理っっ!


限界だった。

一刻も早く,
この息苦しさから解放されたかった。




私は…
男の人が苦手。

たとえ、
相手に悪意が無かったとしても、
側に寄られると身がすくみ、
話しかけられると言葉に詰まる。

今までは
同じぐらいの年の男の子が
“苦手な対象”だった。

それ以外と
出会うきっかけがなかったから…。

そう…、
初めてなのだ。

年上の美しい男(ひと)と
こうして
ふたりきりになることが…。


白衣の男性に背を向け、
足早に扉を目指す。

数歩歩けばドアノブに手が届く距離なのに
やけに遠く感じた。

ひんやりとしたノブを握って、
ほっと息を吐いた時、


「ちょっと待て。」

「!?」


再び、
息苦しい目眩の中に引き戻される…。




白衣の男性は
いつの間に火を点けたのか、
出逢った時と同じように
斜めに煙草を咥えていた。

そして、
煙と一緒に、


「明日も来い。」


という言葉を吐き出した。








不思議な反応だった。

どれもこれも。

少しでも長く側にいたがる女は
吐いて捨てるほどいたが、
逃げ出そうとする女はこいつが初めてだ。

それどころか、
視線を合わそうとすらしない。

ただ…、
俺の唇から取り去った花びらを
大事そうに仕舞った、だけ。


…女じゃ、ないのか。


恋の駆け引きも知らない
子供ということか。

それならば、
優しくもできる。

女は面倒なだけの生き物だが、
ケガをした子供は
庇護の対象だ。


俺はまだ
若干のイラつきが残る気持ちを鎮める為、
赤い箱から煙草を取り出した。

普段行っている動作をすることで
然程待つことなく、自分を取り戻す。

2、3度、ニコチンを体に入れた後、
いそいそと退室しようとしていた
ソレを呼び止めた。

明日もここに来るように告げると、
案の定、
驚いた表情を見せ固まる。


馬鹿な子供だ…。


煙草を咥えたまま、
距離を詰めてゆく。

“意味”を教えてやるために。



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出会いはサイテー、サイアクで…4

「マジで、あり得ねぇ!」


くそ!俺としたことが!

メモリーカードの予備、忘れるかよ!

変な女がいなくなって、
やっとこれからっつー時にさぁ!


「…戻るか、部室。」


四の五の言ってても仕方ねぇ。

時は待っちゃくれねぇし、
今を逃したら、
あの桜には二度と会えない。

…そう。

失ったものはカエラナイ。

時間も人も…。




並木道を横切り、
短大のエリアを抜けるルートが、
部室への近道だ。

木の根元に置いていた機材を
アルミケースに入れ、肩に担ぐ。

首から下げた一眼と合わせれば
かなりの重量だが、
気にせず走り出した。

その途端、


「わっっ!」

「―――っっ!?」


目の前に何かが飛び出してきた。




「あ、危ねぇ!
 このカメラ、いくらすると思ってんだよ!」

「ご、ごめんなさい。」

「!」


間一髪で身をかわし、
衝突を免れたそれは…、

俺の大好物だった。




なんだ?
この、とびきり可愛い生き物は…。

華奢な体に
色白の肌。

茶色の柔らかそうな髪が
黒目がちの瞳にかかって…。

色付き始めた果実のような唇が
驚きで微かに震えている。

バンビか?

プードルか?

それとも、
天使?

いずれにしても
人間じゃねぇよな。

だって、
可愛過ぎっだろ!

しかもこいつ、
不安そうに小首を傾げやがって…。




ごくっっ…




「超、美味そうじゃねぇか…。」

「え?」

「俺の名は新田海。
 お前は?」

「…―――言わない。」

「あ、こらっっ!待て!」

「待たない。」

「逃げんなぁ!!!」

「逃げる。」








はぁ…はぁ…

逃げられた。


「はは。足、早ぇ…。」


跳ねるように行っちまった。

やっぱ、バンビか?

まぁ、でも…


「LOCK ON 完了、だな。」


またすぐに会おうぜ。

俺のバンビちゃん。








頑なな心を溶かすような、
温かい光を宿した瞳。

その光の奥に
彼を見上げる私が映っている。

この人は、優しいひと…

直感的にそう思った。

そんな私の心の変化を読み取ったのか、


「ねぇ、君、名前は?」


再び彼が口を開く。


「し、らいし…もも。」


まだまだ小さい声だけど、
さっきまでの声音とは明らかに違う。


「桃ちゃんかぁ。
 とってもかわいい名前だね♪」

「あ、ありがとう。」

「僕の名前は中村優太。」

「中村、さん?」

「さんはいらないよ。
 ほら。僕たち同じ1年でしょ?」


そう言いながら、
彼は自分のタイを指差した。


「だからさ、
 優太って呼んで。」

「え?」

「ゆ・う・た。」

「…―――」


男子と会話をするという高いハードルを
やっと1台越したのに、
2台目がすぐ待ってるって感じ。

でも、なんだろ…。

越えられる、気がした。

そしてその先には、
新しい世界と、


「ゆうた、くん?」

「よく出来ましたぁ♪」


とびきりの笑顔が待っていると…。








いた!

バンビだ。




短大エリアに入った所で俺は、
バンビの姿を見つけた。

さっきの顔とは違う、
笑顔のバンビ。

だがそれは、
あの変な女に向けられたモノだった。




なんだ、アイツ。

バンビの前で
やたらモジモジしやがってよぉ。

純情ぶって、
気を引く作戦か?

つか、逆ナンか?

こっからじゃ、
話、聞こえねぇなぁ。

もうちっと、近づくか…。




それは俺の新しい世界…、
―バンビの追っかけ―の始まりだった。




…おい、誰だ?

ストーカーの始まりって言ったヤツは!




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出会いは、やわらかく、あたたかく…4

私は…
男の人が苦手。

特に
同じくらいの年の男の子が。

たとえ、
相手に悪意が無かったとしても、
側に寄られると身がすくみ、
話しかけられると言葉に詰まる。

それが、


「信じられない…」


そんな私が
男の人に手を引かれてるなんて。

しかも、


「2回もあるなんて…」


18年間で一度も無かったことが
同じ日に続けて起こる。

これって…


「運命、かもね♪」

「―――っっ!?」


小さなひとり言に答えが返ってきて、
私は耳まで赤くなるのを感じた。

でも、当の本人は
さっきと変わらない笑顔のまま。


そういうこと、
女の子に言い慣れてるのかな?

愛未も言ってたけど、
すっごくモテそうだし…。


「…。」


茶色の髪が陽に透けて
きらきら輝いていた。

その輝きと逆行するかのように、
私の心は不安で陰っていく。

愛未が心配していたことが、
現実になってしまうかも…。

経験からくる恐怖は
じわじわと広がっていった。




「さぁ、着いた!
 ここが食物学科の教室だよ。」


廊下の端で、優太くんが言った。


「桃ちゃんは白石だからAクラスだよね?」

「う…うん。」

「ふふ。良かった♪」

「え?」

「さぁ、入ろっか!」

「ええっっ!?」

「最初が肝心だから、
 一発、やっっちゃうよぉ♪」

「な、なに言って…―――」


優太くんは私に
ぱちっと一回ウインクをして、
教室に入ろうとする。


「ちょ、ちょっっと待って!
 ここでいいですからっっ!
 中まではいいですからっっ!」

「ん?」

「送って頂いてありがとうございました。
 も、もう、大丈夫ですから―――…」

「そ?
 それは良かった。
 でもさ、
 僕もこのクラスなの。」

「へ?」

「だから…」


優太くんは何だかとっても嬉しそうな顔で
教室の扉を開けた。




う、うそ!?
同じクラス?
あ、中村だから。
って、そこじゃ無くて、
いや、そこも気になるけど、
手!
手!
握ったままだから――――っっ!




と、言いたいのに、
ひと言も発することのできない私は
口をパクパクさせながら
優太くんに後ろに立っていた。

否応無しに
クラス中の視線が集まってくる。

それは、
好奇と嫉妬の入り混じった視線。

すると優太くんは
何もかもを吹き飛ばすような
元気いっぱいの声で、


「僕の名前は中村優太。
 こっちのちっちゃい子は
 この学校で出来た一番目の友達、
 白石桃ちゃん。
 僕は友達を大切にする男だから、
 迷子になってた子猫ちゃんを
 エスコートしてきましたー♪」


と言って、
繋いだ手を高々と上げた。

その屈託のない笑顔に
どこからともなく
クスクスと笑いが起こる。

そしてさらに、


「2番目の友達も、
 3番目の友達も募集中だから、
 ヨロシクねーーー♪」


そう、
とびっきりキュートな笑顔を
クラス全員に振り撒いた。

途端に
さっきまでの射すような視線が
柔らかいものに変わる。

壇上に立っている、
恐らくクラス担任の先生までも
破顔している。

お陰で、
遅刻のお小言は
ほんのちょっぴりで済んでしまった。




私は前から3番目の中央の席、
優太くんは一番後ろの窓際の席。

それぞれの席に向かって歩き出し、
優太くんの手も離れていった。


「これからよろしく、桃ちゃん。」


耳元に
優しい囁きを残して…。




誰もが緊張する入学式の日。

このクラスは
笑顔で溢れていた。

優太くんを中心にして。


「桃ちゃん、ヨロシクね!」

「桃ちゃん、入学早々大変だったね(笑)」


私にもどんどん声がかけられる。


「うん。こちらこそ、ヨロシクね!」

「どうもありがとう!」


私もどんどん返事をする。

そしていつの間にか、
笑顔の輪の中に入っていた。




あの言葉…


「2番目の友達も、
 3番目の友達も募集中だから、
 ヨロシクね♪」


あれはきっと、
私に気を使ってくれたんだ…。


振り返って
優太くんの席の方を見ると
優太くんも私を見ていたのか
ごく自然に目が合った。


胸がドクンと大きな音を立てて、
思わず逸らしそうになったけれど、
どうしても…


私は優太くんの瞳に向かって
唇だけで「ありがとう」と言う。

できるかぎりの笑顔とともに…。

優太くんはなぜか
びくっと驚いた顔をしたけれど、
それはほんの一瞬で
すぐにとびきりの笑顔と
ウインクを返してくれた。




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出会いは危険な大人の香り…3

「あ、あの、どこに?」

「…」


並木道を足早に歩く。

さっき会ったばかりの
名前も知らない男の人に手を引かれて…。




持たれた左手の先端、
煙草の灰が当たった人差し指は
ズキズキと火傷特有の痛みがした。

でも、
大きな手で握られた手首の方が
何倍も何十倍も熱かった…。








「ああ、行っちゃった…。」

「うん。行っちゃったねぇ。」

「教授がさっさと出て行かないからですよ!」

「だって、まさか
 桃ちゃんが来るとは思わなかったんだもん。」

「だから、何者ですか?その、桃ちゃんって。
 さっきのチビっこいコでしょ?」

「チビっこいって君が言うかね?(笑)」

「…教授、怒りますよ。」

「おおーーー、怖っっ!」

「って、逃げんな!」

「逃げじゃない。攻めだ。」

「は?」

「ミユ、計画をBパターンに変更する。」

「はぁぁぁ?」

「ほら、行くぞ!」

「待て、こら、じじぃ!
 あと、ミユって言うなっっ!」








歩を進める視界の端に、
ふたつの白い影が見えた。


あの野郎ども、
やっぱり隠れていやがったな。


すぐにでも
ぶん殴ってやりたい気分だが、
今の優先事項は…


「入れ。」

「え?」

「いいから。」

「あ、はい。」


まるで小動物だ。

おどおど部屋を見回して…。




すべてが癇に障る。

…何よりも、
あんな手にまんまと引っ掛かった、
自分に腹が立つ。

あれは…
もうダメだろう。

ただし、
ホンモノであれば、だが。








ここは、
医務室?

カーテンで仕切られたベッドと
消毒薬の臭いが
それを証明していた。




「そこに座れ。」


窓際に置かれた机の前には
ふたつの椅子。

背もたれが有るものと
無いもの。

私は背もたれの無い方を選択し、


「ありがとうございます。」


と、座った。

ここまで来るとさすがに
この男性がしようとしている事がわかって、
静かに指示を待つ。

ふと、握りしめたままだった
花びらの存在が気になった。

正面の壁に置かれた棚から
薬を取り出す後ろ姿を確認して、
そっと右掌を開いてみる。


よかった。
きれいなままだ。


折れたり千切れれたりしていないことに
ほっと胸を撫で下ろし、
急いで
胸ポケットに入れてある生徒手帳に挟む。

元の位置に手帳を入れたのと同時に
男性が振り向いた。


見られて、ないよね?


何となく、
あの花びらをしまったことは
秘密にしておきたかった。


だって…
唇についてたんだもん、このコ。

そんなものを後生大事にしまうって
気持ち悪がられちゃうよ。


私は胸ポケットをそっと押さえて、
もう一度その存在を確かめた…。








消毒薬を藥棚から取り出した所で、
ガラスに女の不審な行動が映し出される。


何をやっている?


じっとこちらを見たかと思えば、
手帳らしきものを取り出し、
何かを挟んだ。


何か…

あの、桜の花びらか?


一連の作業が終わると、
ホッとしたような顔で微笑む。

胸ポケットを押さえて…。




変な、ヤツだな。




それが、
俺とアイツの出逢いだった。




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出会いはサイテー、サイアクで…3

やっぱりというか、
案の定というか、
愛未と別れてすぐに
…迷子になった。


どうして学校っていうのは
こうも似たような建物ばっかりなんだろう!


背表紙が全体の見取り図になっている
学校案内とにらめっこをしながら、
自分の残念さは棚に上げてしまう。

統一感のあり過ぎる学校は
小さい頃流行った巨大迷路級に難解だった。


「やだ、ホントにわかんない…。」


入学早々、迷子→遅刻
という図式が頭に浮かび、
気持ちだけが焦る。

とりあえず、動かないよりは良いかもと、
歩いてはみるものの…、


「ここ、さっき来たよ…。」


建物に入ると、
さすがに違うとわかってガックリ肩を落とす。


「もぉ、ダメかも…。」


気持ちのほとんどが折れかけた時、
視線の先に人影が見えた。

足早にどこかに向かっている。


「そ、そうだ!」


―わかんなかったら人に聞くんだよ―


愛未の言葉を実行するのは
今しかない!

迷子になってから
全然誰とも会わなかった。

これを逃したら、
迷子→遅刻=クラスに馴染めない
って事になっちゃうかも知れない!


私は急いで
人影を追いかけた。




「はぁ…はぁ…」


足早に歩を進める人影に追い付くには、
走るという選択肢しかなく、
苦しい呼吸の中、
あることがスッポリ抜けていた。

それは
人影が人に変わった頃、
ようやく頭の中に戻ってくる。


あ…れ?
制服の下、パンツ…。

って、ことは…


それに気付き、
自分の動きにブレーキをかけた途端、


「ん?僕に何か用?」


同じブレザー、
同じ色のタイ、
でも…


「君も遅刻しそうなの?」


違う性別の“彼”が
振り向いた。




「僕以外にいたんだ。
 入学早々遅刻しちゃう人。」


私に歩み寄りながら、
くすくすと笑う。

きれいな二重に
形の良い眉。

テレビの中で見るアイドルよりも
アイドルらしい整った容姿。


「ふふ。
 もうバックレちゃおっか、ふたりで♪」


サクランボのように艶やかな唇に
人差し指を当て、
きゅっと片目をつぶってみせる。


「あ、あ…あの…」

「ごめん、ごめん!
 怖がらせちゃった?」

「―――…いえ」


俯き、発した声は
自分でも驚くほど小さな擦れた声。

それでも、
やっとの思いで出した声だった。




私は…
男の人が苦手。

特に
同じぐらいの年の男の子が。

たとえ、
相手に悪意が無かったとしても、
側に寄られると身がすくみ、
話しかけられると言葉に詰まる。

そう…、
今みたいに。


「…?」


追いかけるんじゃなかった。

きっと私、
赤くなったり、青くなったり、
ヒドイ顔してる。

しかも、
黙り込んじゃうし…。

困ってる…よね。


上目づかいで、
ほんのちょっとだけ
彼を見た。


「―――!?」


そこに待っていたのは、
陽に透けて
きらきら輝く茶色の髪と
心底心配そうな瞳…。


その瞳は、


大丈夫?


と語っていた。




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出会いは、やわらかく、あたたかく…3

「ふ~ん…。
 それが、神聖なる聖堂に
 手を繋いで入ってきた理由?」

「う、うん。」

「…要するに、
 入学早々ナンパされたってことだ。」

「ち、違うよぉ!
 ただ遅刻しそうになってたから…」

「しそうに…、じゃなくて
 バッチリしてたけどさ、遅刻。
 しかも遅れたうえにド派手な登場で
 あんた今、学校一の有名人だからね。」

「ええええ―――っっ!?」


そう言えば、
すれ違う人たちの視線が痛いかも…。




私の名前は白石桃。

聖マリアンヌ短期大学食物学科1年
…になったばかり。


「よりにもよって、
 あんな女子に人気が出そうな男と…。
 不安だ、すっごく。」


と、隣で唸ってるこのコは
同短期大学看護学科1年の
北川愛未(まなみ)。

愛未は小学生の頃からの大親友で
私のことなら何でもわかってる心強い存在だ。

愛未が心配してるのはきっと、

“私がイジメられないか”

ってことだと思うんだけど、


「大丈夫だよ。
 食物学科に男子はいないだろうから、
 他の学部でしょ、あの人は。」


この聖マリアンヌ短期大学は
食物学科と看護学科からなっていて、
広大な敷地内には
聖マリアンヌ医科大学と
聖マリアンヌ医科大学病院も併設されている。


「男の子だし医学部かも!
 だからもう、会うこともないよ。」

「いや、
 会う会わないが問題なんじゃ無くて…。
 …まぁ、
 会わない方が良いに決まってるけど…。」


愛未はそこまで言って、
黙り込んでしまった。




腰に届く程のストレートの黒髪が
春の風によって優雅になびいている。

眉間に皺を寄せた表情も
エキゾチックでハッキリとした
目鼻立ちのせいか
どこか色っぽい。


ホント、
同じ18歳とは思えないな…。

制服も似合ってるし。


紺色のブレザーに
グレーのプリーツスカート。

カトリック系の学校らしい
清楚なデザインの制服なのに
愛未が着ると
おしゃれな服に見えるから不思議だ。


「愛未…?」

「…」


考え込んだままの親友は
2人が共に歩んできた『歴史』を
遡っているのかも知れない。

それは、

私が泣いて、
愛未が怒る、

そんな歴史…。

同じ学校に入学したけれど、
愛未は3年制の看護学科、
私は2年制の食物学科。

今までの様に
べったりっていう訳にはいかない。

それに看護学科は
かなりタイトなスケジュールだと聞いている。

私を気にかけている時間など
無いだろうし、
作らせてはいけない。

だからこそ、
今日の入学式も
迎えに行くと言う愛未の申し出を断って
ひとり門をくぐったのだ。


…結局、
遅刻しちゃったけど。




「愛未、そろそろ行かなきゃ。」

「ああ、うん。
 もうそんな時間か。」


入学式が終わって、
教室でのオリエンテーションまで20分。

聖堂から出てきたところを
愛未に呼ばれて、
中庭のベンチに座った。


「桃、大丈夫?
 教室の場所、わかる?」

「もぉーーー!
 愛未、心配しすぎ!
 さすがに私も
 学校内で迷ったりしないから!」

「…説得力無いけどね、それ。」

「う…」




「迷ったら人に聞くこと!」


そう念を押して、
愛未は中庭の向こうに消えて行った。

その姿を見送って、
バッグの中から学校案内の冊子を取り出す。

冊子の背表紙が
学校全体の見取り図になっていた。

くるくると回しながら、
向かうべき方向を確かめる。


「え…っと、中庭がココだから、
 食物学科の教室がある棟は…」

「あっちだね♪」

「え!?」


聞き覚えのある弾むような声。

はっ!と顔を上げると
満面の笑顔で
地図が示す方向を指差す…彼がいた。




「中村…さん?」

「そうじゃなくて、優太。
 同じ学年だって言ったでしょ?」

「…優太、さん?」

「優太。」

「優太…くん」

「うーん。ま、いっか。じゃ―――」
 


と、当り前のように手を取った。




で、で、で、でじゃヴ!?


驚く私に、


「オリエンテーションまで
 遅刻しちゃまずいでしょ?」

「!」


のひと言。


それは、
そうなんだけど…。

すごく正論なんだけど…。




中庭を抜け、
彼―優太くん―が指差した方向に走る。

手をしっかりと握られたまま…。




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出会いは危険な大人の香り…2

灰皿…

灰皿…

そっか、
灰が落ちそうなんだ。


斜に咥えられた煙草は
灰色にどんどん浸食されている。

彼の白衣の胸ポケットには、
万年筆と
黒インク、赤インクのボールペン。

それらを避け、
隙間に手を侵入させると、
皮のような材質が指先に触れた。


「えっ…と、これ、かな…」

「ああ…」


視線と吐息、
そして甘い声を頭上で感じ、
彼に触れているという羞恥心が
一気に湧き上がる。

目的のモノを少し乱暴に取り出し、
急いで距離を取った。

私が起こした衝撃で
白衣の裾が…


「揺らすな、バカ!!!」

「へ?」

「起きるだろうが、あいつらが!」

「は、はい?」


何言ってるんだろう?

あいつら?


キョロキョロと辺りを見回すけれど、
私と彼以外
誰もいない…。

羞恥心が
大きな疑問にすり替わって、
今まで
直視できなかった美しい顔を見る。

彼は…
悩ましげに眉間に皺を寄せ、
何かを忙しなく見ている。


何か…


ポケット?


その人は
自分の左右のポケットを
心配?…していた。

そう言えばずっと
ポケットに両手を入れたまま…。

手を出せば、
花びらも取れるし、
煙草だって…。

なんでこんな簡単なことに
気が付かないんだろう?


「あ、あのぉ…」

「!?」


私の声で
悩ましげに細められていた瞳が
大きく見開かれた。

忘れていた!
と言わんばかりに…。


その時、
口に咥えていた煙草の灰が
ポトリと落ちた。




「「あ!」」




落ちて行く灰が
スローモーションの様に
ゆっくり
ゆっくり
見えて…




「あっ…つ―――」

「な!?」




思わず
掌を差し出してしまった。




「バカ野郎!
 手を出す奴があるか!」


あ…れ?


「落ちたか、灰?
 どこに当たった?」


焦ったように
私の両手を念入りに調べる。

今まで白衣のポケットに
隠れていた手で…。


「手、出せるんですね?」

「はぁ?
 何言ってるんだ、お前?」

「…花びら、まだついてますよ?」

「…。」


その言葉には反応せず、
まだ私の手を見ている…。

そして、
左手人差し指の先端に
小さな赤をみつけた。


「ここに当たったのか…。」


ぐいっと左手を引き寄せる。

赤い印がある
人差し指には触れないように。

私は…
こんな恥ずかしい状況なのに
彼の唇に留まり続ける
薄桃色の花びらが気になって…
空いている方の右手を伸ばした。


「―――!」


何か言いたげに動いた唇には触れないように
そっと花びらを剥がす。

そしてようやく…
追いかけた一片は
私の掌に収まった。




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出会いはサイテー、サイアクで…2

「ふ~ん…。
 
 で、
 今のは、

  ももぉ、
  きれいなお花を眺めてただけなのに
  いきなり知らない男の人に
  怒られちゃったんだぁ。
  でもきっと、悪いのは私。
  今度その人に会ったら謝らなきゃ。

 って、ホンキで思ってますって話よね?」

「愛未…?
 言い方にすっごいトゲがあるんですけど。
 あと、
 私の口調をマネするのやめて。
 ていうか、似てないし。」

「あ、トゲ感じた?
 天然おとぼけキャラの桃ちゃんでも?」

「む~!
 私、天然じゃないし!
 おとぼけでもないし!」

「それ、
 天然キャラが言う確率
 100%のセリフだからね。」

「もぉ~!
 愛未、ひどいっっ!!!」

「はは。ごめん、ごめん。
 久しぶりに会ったから
 からかいたくなっただけ♪」

「その理由もひどい~!
 ぷ~~~!!!」

「まぁまぁ、これあげるから。
 その膨らんだほっぺに入れて、
 機嫌直しな(笑)
 ほ~ら、
 あーーーーん!」

「あ、あーーーーん。」

「ど?」

「うん!おいしー♪」

「ふふ」




私の名前は白石桃。

聖マリアンヌ短期大学食物学科1年
…になったばかり。

この、
マカロンをあーんしてくれたコは
同短期大学看護学科1年の
北川愛未(まなみ)。

愛未は小学生の頃からの大親友で
私のことなら何でもわかってる
ちょっと怖い存在でもある。

私をからかうのも、
怒らせるのも、
いつの間にか笑顔にするのも、
愛未とってはたやすいこと。


「うん、この緑色のヤツもなかなか。
 どれどれ、こっちの茶色のは…」


細くしなやかな指でマカロンを摘み、
次々と口に放り込む。

唇についたコンフィチュールを
ペロリと舐めるしぐさが色っぽい。


同じ18歳とは思えない…。


腰に届く程のストレートの黒髪が
全然重たく見えないのは
私より10cm高い身長のせいなのかな。


「しっかし、
 価格設定強気だよねぇ、これ。
 こんな小さくて250円だよ。」


エキゾチックな 目鼻立ちも手伝って、
愛未と歩いてると
必ず声をかけられる。


「国産の材料使ってるにしても、
 取り過ぎだって。」

「…」


制服も似合ってるなぁ。


紺色のブレザーに
グレーのプリーツスカート。

カトリック系の学校らしい
清楚なデザインの制服なのに
愛未が着ると
おしゃれな服に見えるから不思議。


「私だったら150円で売る。
 で、10個入りなら1000円。」

「…」


今年の入学生のタイは茜色。

毎期、変わるタイの色は
公募で決まるものらしい。

そして、その学年の
イメージカラーになる。


でもこの制服って、
式典や学園祭があるような
“特別な日”にしか着用しないと
入学案内に書いてあった。

それって…


「もったいないよね…。」

「そう。もったいない。
 せっかく人気スイーツ店になる
 チャンスなのにさ。
 強気な価格設定に
 ブランド力が追いついて無い。
 あと、店員多過ぎ。
 テイクアウトのみの店で
 あの人数はいらない。
 人件費削って、
 値段押さえろって話よ。」

「愛未…、金勘定モード。」

「あ、ああ。
 脳内電算機フル稼働してた?」

「うん…。」


これが無ければ、
完全無欠のいい女なのに(笑)




「さ、そろそろ行こうか?」

「うん。」


入学式が終わって、
教室でのオリエンテーションまで20分。

聖堂から出てきたところを
愛未に呼ばれて、
中庭のベンチに座り
少しの時間過ごした。

知り合いもいない場所で
こうして気にかけてくれるのは
本当に有難い。

社交的な愛未と違って、
内向的で人見知りな私には
とても緊張するシチュエーションだから。

わざとからかったりするのも、
『愛未流の励まし』なんだと思う。



「時間が無いから送れないけど、
 大丈夫?教室わかる?」

「う、うん。多分。」

「わかんなかったら人に聞くんだよ。」

「う…ん。」


バシッッ!!!


「!?」


愛未の手が
縮こまった背中を叩く。


「ほら。気合注入!!!
 顔上げて行きな。」

「…―――うん!」


その勢いを借りて走り出す。

愛未にこれ以上心配かけないよう、
しっかり顔を上げて。








「ああ…、
 そっちじゃないんだけどなぁ。
 ま、これも修業だ。
 がんばれぇ、桃ぉ。」








「あ、あの…、
 食物学科がある棟ってどこですか?」


愛未の言霊が形を成したのか、
私は程なく
修業をする事になる…。 




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出会いはやわらかく、あたたかく…2

似てる…?

いや、
気のせい…か。




少女と言っていいぐらいの
小柄な体系に
肩すれすれの
柔らかそうなボブスタイルが
余計に幼さを強調してる。

僕の視線から逃れるように
花びらを見つめる瞳は
丸く愛らしい。

化粧してないのかな?

自然な長さの睫毛や
恥じらいから色付いた頬…

すごく好感が持てる。

今どき珍しいタイプの子だ。

純真無垢って言葉がピッタリな。




ほら。

全然似てないじゃないか。

だって、アイツは…。




って、
いつまで…


「見つめるつもり?」

「え?」

「そんなに見つめたら
 花びらが恥ずかしがっちゃうよw」

「!?」


分かってるんだけどね。

多分そういう理由だけで
掌を凝視してる訳じゃないって。

でも、


「君さ、入学式出ないの?」


そう。

式、始まってるんだよねぇ。




彼女は
急に現実に引き戻されたせいなのか、
ものすごくあたふたしてる。

ま、まんがみたいな動きだな…。

ああ、方向違うから!

聖堂は…




「ほら。そっちじゃないよ。」

「!?」




いや…、
手握っただけでそんなに驚かなくても。

…ホントに
純情なんだな。




「…やっぱり」




あそこに行ってきたから、
感傷的になってるだけだ。

アイツは…、
手を取っただけで、
首まで真っ赤になるような、
そんな…




「あ、あの…―――」




細く震える声…。

声だって、
似ても似つかない…。

手首だって、
簡単に手折れそうな…




「君、名前は?」

「え?」

「なーまーえ。」

「桃…白石桃です。」

「桃ちゃんか。
 スッゴクかわいい名だね。
 僕は中村優太。」

「中村…優太さん?」

「さん付けはいらないよ。
 だって同じ1年だもん。
 ほら、タイの色同じでしょ?」

「あ…。」

「つまり、僕も遅刻組なの。
 だから一緒に行こ?」

「は、はい…。」

「だーめ!ハイじゃなくてウンね!」

「は…う、うん。」

「よし!
 じゃ、行こう、桃ちゃん!」




僕は
彼女の手首を握ったまま走り出した。




入学早々、
怒られちゃうな。

でも、まぁいっか。

このコと2人なら。




まだ、
胸がざわついている。

でも、彼女に触れてると
どこかほっとするような感覚もある。

聖堂に着く頃には
複雑に乱れるこの感情も
落ち着いてくれてるだろうか? 




浮雲亭1 浮雲亭2

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出会いは危険な大人の香り…1

パンフレットで見るより
何倍も凄い…。




その見事な桜並木に圧倒されて、
私は口をぽかんと開けたまま
ただ上を見上げていた。

左右から伸びた枝枝で
空さえも見えない。

見えるのは
桃色の世界…。




今朝、
制服のタイが上手く結べずに
出かけるのが随分遅れてしまった。

おそらく、
入学式が行われる聖堂は
この並木道の先にある。

前にも後ろにも誰もいない。

もうすぐ式が始まる時間なんだから
それって当り前で、
私も急ぐべきなんだけど…
なぜか動けずにいた。




春の風が花びらを揺らし、
私の体に次々と桃色を落とす。

染まっていく身体に
まるで自分も
この風景の一部になったような
そんな錯覚を覚えた。

目を閉じ、
深呼吸をする。

桜の花には
ほとんど香りが無いと
聞いたことがあったけれど、
こうして深く吸い込むと、
かすかな淡い香りがした。

何度目かの深呼吸をしたところでふと、
頬に当たる風が
止んでいる事に気付く。

そっと目を開けると、
舞い落ちていた花びらも
ぴたりと動きを止めていた。

違和感に再び見上げると、
一片の小さな花びらが
ゆっくりゆっくり
落ちてくるのが見えた。


「あ!」


私は条件反射のように手を伸ばし、
両の掌を上に向け、
到着を待つ。

ふわり

微かだが
掌に感触があった。


「や、やった~♪」


花びらを確認するため
挙げていた手を胸の高さまで降ろした途端、


ビュゥーーーー!


再び強い風が起こり、
私の手から逃れるようにひとひらが舞った。


ひらり、ひらり…


風に乗って
軽やかに踊る薄桃色の花びら。

不思議と他の花びらたちと
見分けがつく。


ひらり、ひらり…

ひらり、ひらり…


その動きは
とても可憐で優雅で、
捕まえてしまうのが惜しい気すら…。

私はうっとりと行方を追った。


ひらり、ひらり…

ひら…


あ、あれ?見失っちゃった?

さっきまで
あんなにはっきり見えていたのに。




「う゛っっ―――」




う゛?




「くそ、忌々しい花びらどもめ!」




え?




花びらを見失った方向から
明らかに不機嫌そうな声が…。

恐る恐る歩いていくと、
一際大きな桜の木にもたれたまま
咥え煙草を燻らせている男性の姿があった。


白衣?お医者さまかな?


と思ったのは、
この学校の敷地内に
大学病院が併設されているから。


そ、それにしても…


長身のスラリとした体躯に
風に流れる黒髪。

銀色の眼鏡の奥には
レンズ一枚では隠しきれない
圧倒的な魅力を放つ
切れ長の瞳が潜んでいた。


なんて、きれいな人…。

同じ世界に存在してるとは
思えないぐらい…。

でも…、


「花びら…ついています。」


そう、
煙草を咥えた方の反対側、
―私から見える―左側の口の端に
薄桃色の花びらが…。


「…わかってる。」


わかってる?

なら、
どうして取らないの?


「おい、お前。
 じっと見てないで、取れ、これを。」

「は…ぃ?」


私に言ってる…んだよね?


「…聞こえないのか。」


低音の良く響く声が
さらにトーンを下げた。


「い、いえっっ!
 聞こえてますっっ!!!」

「なら、早くしろっっ(怒)」

「は、はい!!!」


激しく促され、
体を無理やり動かしたものの…


ああ、今、
手と足が一緒に出てるよね(汗)


味わったことのない緊張感に
自分が自分じゃないみたいな変な感覚。

ギクシャクしながらもなんとか
その人の正面に回り込んだ。


う、うわっっ…


機嫌悪そうに伏せられた瞳の下に
長い睫毛が影を落として…

恋愛経験ゼロの私にだってわかる。

大人の色気っていうものが
出過ぎてるんだ…。


ど、どうしよう。

唇のアレ取るなんて、無理だよぉ!

今でこそ、
ドキがムネムネなのにっっ!!!


「ああ…くそ。落ちちまう。
 お前、こっちが先だ。
 胸ポケットから灰皿出せ。」

「!?」

「早くしろっっ!!!」

「は、はいぃーーー!」


もぉーーーー、
どうにでもなっちゃえぇ!


私は意を決して、
白衣の胸ポケットに手を入れた。 




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出会いはサイテー、サイアクで…1

パンフレットで見るより
何倍も凄い…。




その見事な桜並木に圧倒されて、
私は口をぽかんと開けたまま
ただ上を見上げていた。

左右から伸びた枝枝で
空さえも見えない。

見えるのは
桃色の世界…。




今朝、
制服のタイが上手く結べずに
出かけるのが随分遅れてしまった。

おそらく、
入学式が行われる聖堂は
この並木道の先にある。

前にも後ろにも誰もいない。

もうすぐ式が始まる時間なんだから
それって当り前で、
私も急ぐべきなんだけど…
なぜか動けずにいた。




春の風が花びらを揺らし、
私の体に次々と桃色を落とす。

染まっていく身体に
まるで自分も
この風景の一部になったような
そんな錯覚を覚えた。

目を閉じ、
深呼吸をする。

桜の花には
ほとんど香りが無いと
聞いたことがあったけれど、
こうして深く吸い込むと、
かすかな淡い香りがした。

何度目かの深呼吸をしたところでふと、
頬に当たる風が
止んでいる事に気付く。

そっと目を開けると、
舞い落ちていた花びらも
ぴたりと動きを止めていた。

違和感に再び見上げると、
一片の小さな花びらが
ゆっくりゆっくり
落ちてくるのが見えた。


「あ!」


私は条件反射のように手を伸ばし、
両の掌を上に向け、
到着を待つ。


「も、もうちょっと…」


ふっっ!


あと、数センチってところで
一筋の風に掬われるように
着地するはずの花びらが
ヒラリと舞い上がっていった。


「あ、あれ?」


思わずジャンプして取ろうとしたけれど、
再び吹き始めた風で、
他の花びらたちと紛れてしまう。


「あれれ?もうちょっとだったのに…。」


何となく
“特別”なモノを感じた一片を取り損ねて、
がっくりと肩を落とした時、


「きゃっっ!?」


いきなり後ろ髪を掴まれて、
静かな並木道に素っ頓狂な悲鳴が響いた。




「な、な、な…!!!」


何が起こったのかわからず、
ただただ
手足をバタつかせる私の後頭部に、


「邪魔なんだよ、お前。」


優しさの欠片も無い、
鋭い声が突き刺さった。


「いいか。俺は、
 今日のこの時間、
 この場所を撮るために
 何日も前から準備をしてきたんだ。
 それがぼーーーっとお前が立ってることで
 すべて台無しになるんだよ。
 また来年の今日まで
 待たなくちゃならねぇんだ。」

「な、なんのことをっっ」


言ってるんだろう?

てゆうか、誰?


振り向きたいけれど、
肩までしか長さの無い髪を
ガッチリ握られていて、
どうにも動けない。


「わかったらさっさと消えろ。」


そこまで言ってやっと、
掴んでいた手を離した。

離してはくれたんだけど、


どんっっ!!!


「きゃっっ!?」


今度は背中を思いっきり押された。

痛いとか
怖いとかじゃなくて、
ホントにとにかくビックリして、
押された方向へ一目散に走り出す。


「な、なにっっ!一体っっ!!!」


心臓が破裂しちゃうんじゃない?
ってぐらい走って、走って、
並木道の途切れた所までたどり着いた。

ぜいぜいと呼吸が苦しい。

でも、どうしても気になって、
恐る恐る振り向くと…、


かなり小さくなったその人が見えた。

立ったり、屈んだり、
すごく動きが怪しい…。

よく見ると
手に何かを持ってるみたい。

あれは…


「カメラ?」


そういえば、

―この場所を撮るために―

って…。


「あ!」


私、もしかして、
すっごく迷惑だった?


―また、来年の今日まで
 待たなくちゃならねぇんだ―


とも言ってたし。

怒られても仕方のないこと、
しちゃってたのかも。

謝った方がいいのかな?

きっとこの学校の人だよね?

ど、どうしよう…。


そうやって迷っている内に、


「あなた!なにやってるの?
 新入生でしょ?そのタイの色!」


先生らしき女性に声をかけられ、
聖堂へ急ぐように促された。




滑り込みで式典の列に加わる

厳かな空気の中、
徐々に頭がクリアになっていくと、
自分が悪いことをしたという気が
深まっていった。

そもそも、
あの時間にあそこにいること自体が
間違いだったのだから。


今度会ったら、
謝ろう…。


そう決めて、
指定された讃美歌を歌う為に頁を開いた。




何枚かシャッターを切った後、
顔の高さに構えていたカメラを下ろす。


「ああ―――、だめ、だ。」


気分が乗ってこない。

もう、邪魔するものは何も無いというのに。

入学式が終われば、
この並木道の静寂も失われる。

撮るなら今しかない。

なのに…。




少しクールダウンしようと
胸ポケットからレンズキャップを取り出す。

すると、
どうやって入り込んだのか、
薄桃色の花びらが一枚
黒いキャップと共に収まっていた。

その弱々しい一片を掌に乗せる。


あいつ…


ふとさっきの
超邪魔くせぇ女の姿が浮かんだ。

小さな体を思いきり伸ばして、
花びらを掴もうと躍起になって…


「こんなもの何で欲しいかよ?
 やっぱ女って、バカだな。」


そう毒づいて、
女にしてやったように
花びらを吹き飛ばそうと
唇の位置まで手を上げた。

でも…

何となく思いとどまり、
もう一度花びらを見つめる。

ささくれ立っていた心が
少しずつだが確実に
凪いていくのを感じた。

キャップをレンズから外し、
ポケットに入れっぱなしにしていた
ボディキャップと合わせる。

その2つのキャップに出来た空間に
桃色の花びらを忍ばせて…。




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出会いはやわらかく、あたたかく…1

パンフレットで見るより
何倍も凄い…。




その見事な桜並木に圧倒されて、
私は口をぽかんと開けたまま
ただ上を見上げていた。

左右から伸びた枝枝で
空さえも見えない。

見えるのは
桃色の世界…。




今朝、
制服のタイが上手く結べずに
出かけるのが随分遅れてしまった。

おそらく、
入学式が行われる聖堂は
この並木道の先にある。

前にも後ろにも誰もいない。

もうすぐ式が始まる時間なんだから
それって当り前で、
私も急ぐべきなんだけど…
なぜか動けずにいた。




春の風が花びらを揺らし、
私の体に次々と桃色を落とす。

染まっていく身体に
まるで自分も
この風景の一部になったような
そんな錯覚を覚えた。

目を閉じ、
深呼吸をする。

桜の花には
ほとんど香りが無いと
聞いたことがあったけれど、
こうして深く吸い込むと、
かすかな淡い香りがした。

何度目かの深呼吸をしたところでふと、
頬に当たる風が
止んでいる事に気付く。

そっと目を開けると、
舞い落ちていた花びらも
ぴたりと動きを止めていた。

違和感に再び見上げると、
一片の小さな花びらが
ゆっくりゆっくり
落ちてくるのが見えた。


「あ!」


私は条件反射のように手を伸ばし、
両の掌を上に向け、
到着を待つ。

その時…、


「これが欲しいの?」


明るく軽やかな声が聞こえ、
すぐ後ろで体温を感じた。

そして
私の伸ばした手の十数センチ上に、
別の掌が広げられる。


「え!?」


間もなく花びらは
私の背後から手を伸ばす人物の掌に着地した。


「よぉし、ゲットしたよ♪」


嬉しそうな声を上げながら、
目の前に回ってきたその人は、


「はい。どうぞ。」


春の日差しよりも柔らかく、
頬をくすぐる風よりも爽やかに、
ニッコリ笑って手を差し出した。

掌にちょこんと乗せられた花びら。


「不思議な物欲しがるんだね?
なーんか、かわいっっ♪」


そうクスっと笑って、
私の顔を覗き込む。

あまりにも近くて、
茶色の髪が
頬に触れてしまいそう!


「あれ?固まってる?
ビックリさせちゃった?
ごめんね、急に声かけたりして。」


本当に申し訳ないといった声音に
小さく首を横に振る。


「許してくれるの?
じゃあ、これ。」


だらんと降りたままだった私の右手を掴み、
そっと花びらを移した。

その人の掌より
一回りは小さい私の手に
薄桃色の一片が収まる。


「あ、あの、ありがとうございます…。」


ようやく口から出た言葉に、


「どういたしまして!」


と、さらに破顔した。

警戒心が無用なことなんて
誰が見ても分かるような
人懐っこい笑顔。

くしゃくしゃな笑顔で
隠されてはいるけれど、
その容姿はアイドルのように整っている。

きれいな二重に
形の良い眉、
唇なんかサクランボみたい。

ゆるふわのパーマも
とっても似合ってて…。


なんか、この人、
すっごくかわいい…。

男の子なんだけど。 




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桃色トライアングル プロローグ

はらはら

はらはら

踊るように落ちる桜の花びらが
髪に
頬に
肩に
優しく触れる。

立ち止まり見上げると
そこは桃色の世界。

圧倒される程の質量に
息をのんだ。

ふいに風が止み、
際限無く降っていたはずの
花びらの動きが止まる。

ただ一片を除いて…。




桃色トライアングル 




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「もうすぐ会えるね。」連載リスタート直前、3人の恋人座談会!最終話

「もうそろそろ、締めなきゃですよね?」

「まだ、なんも話してねぇぞ。
 宣伝的なのしとくべきだったんじゃねぇの?」

「…べつに構わんだろ。
 本編読めば済む事だし。
 俺はそろそろ行くぞ。
 お前らと違って忙しいんだ。」

「ああ、ちょっと待って下さいよ!
 質問カードを預かってて、
 いくつか答えてもらわないと!」

「…先に出せ、そういうものは。」

「あは、すいません。
 オシャレカフェに気持ちがイッちゃって。」

「イッちゃってなんてヤラシイな、優太。
 今度は俺が何回も言わせ―――」

「早くしろ、その質問とやらを。」

「はい。ではいきますね。」

「…また、スルーかよ。」




「質問1。
 金曜日の恋人に選ばれた感想は?」

「…別にない。」

「そ、そうですか。
 あ、えーっと、じゃあ、質問2。
 ズバリ意気込みを聞かせて下さい!」

「…別にない。」

「お前はエ○カ様かっっ!」

「(…そのツッコミは古いよ、先輩。)
 では最後に、
 応援してくれる読者さんにメッセージを!
 先生、これだけはちゃんとお願いします!」

「こんなもの読んでる暇があるなら、
 英単語の一つでも覚えろ。」

「「………。」」




「は~、
 あんなつまんねぇ答えで帰るかね、フツー。」

「先生らしいと言えば、らしいケド(笑)」

「よし!そんじゃ、俺がバッチリ答えてやるよ!」

「(…不安、ものすごく不安。)」




「質問1。
 水曜日の恋人に選ばれた感想は?」

「えっっ!」

「は?それだけ?」

「だってよぉ、そうだろ?
 俺、ゲイだぜ?
 女と何をどうしろと。」

「まぁ、そうだけど…。」

「ホラ、次、次!」

「う、うん。じゃ、質問2。
 意気込みを教えて、先輩。」

「この話乗っ取ってBLに路線変更する!
 もちろん相手はお前だぞ、優太。
 
 …って、
 何でちょっとずつ椅子が動いてんだよ。
 そのままじゃ、廊下に出ちまうぞ。」

「(そうしてるんですってば)
 …んじゃ、最後ね。
 応援してくれる読者さんに
 メッセージ、さっさと言って。」

「何か急に冷たくなってねぇか?」

「気のせい。」

「そっか?」

「うん。だから早く。」

「お、おう。
 それじゃ…。

 愛してるぜ、優太。」

「…お疲れさまでした。」




「お待たせ。
 僕はまともに答えるからね!

(先輩も無理やり帰したし。)

 質問1!
 月曜日の恋人に選ばれた感想は?

 光栄だよ。
 すっごくね。
 だけど、正直戸惑ってる。
 僕は誰かとステディになる気はないからさ。
 申し訳ないけど
 彼女が僕に恋をしたなら、
 片想いに終わると思う。
 先に謝っておくよ。
 ホント…ごめんね。

 じゃあ、次の質問。

 ズバリ意気込みを聞かせて下さい!

 か。
 うーーーん、そうだな…。
 恋人にはなれないから、
 友達として思いっきり優しくしてあげる。
 そういう部分での
 癒しを感じてもらえるように
 がんばるよ。

 最後に
 桃色トライアングルを応援してくれるみんなへ。

 僕からこの物語はスタートなんだよね。
 責任重大で今すごく緊張してる。
 でもさ、とっても楽しみでもあるんだ。
 だってまた、
 みんなと会えるんだもんね。
 明日ここで待ってるから。
 僕に会いに来てよ。
 それまで、ちょっとの間…
 ばいばい。」




「もうすぐ会えるね。」連載リスタート直前、3人の恋人座談会!

~END~ 




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「もうすぐ会えるね。」連載リスタート直前、3人の恋人座談会!その後のその後

「ありがとうございます。」

「いえ、この位置でよろしいですか?」

「はい。(いつでも逃げられるように)
 扉の前でお願いします。」

「かしこまりました。
 ところで、
 ご注文はいかがいたしますか?
 当店は
 フードメニューも充実しておりますが。」

「だって。
 どうします?何か食べます?
 って、この椅子座り心地いいなぁ。
 一点モノですか?」

「左様でございます。
 よくお分かりで。」

「うん。僕、家具屋廻りが趣味なんで。」

「へぇ。それは初耳だな。
 今度俺も連れてけよ。
 ふたりの為のダブルベッド見に行こ―――」

「エスプレッソ。」

「じゃあ、僕は、
 ソイ・ロイヤルミルクティー!
 …出来ます?」

「もちろん。」

「あと、
 焼きたてのワッフルなんかあったら最高!」

「ホットチェリーソースでよろしいですか?」

「やったぁ♪」

「…おい、お前ら。
 俺を丸ごと無視してんじゃねぇ。」




「うん、ホント美味しい!
 焼き方もソースの甘さも絶妙!」

「お褒めに与り光栄です。」

「僕、常連になっちゃお!」

「いつでもお待ちしております。」




「…あいつ、俺と同じ組合のヤツだな。」

「え?」

「ホモ部か…」

「ホモじゃねぇ、
 ゲイだっつってるだろうが!」

「どっちでもいい。
 このエスプレッソの味は確かだ。」

「うわ!先生も褒めることあるんだ!」

「当たり前だ。
 人をロボット扱いするな。」

「ふぅん。そっか。
 そうだよね!
 ロボットはエスプレッソ飲まないもんね!」

「ふん。」

「あ、今笑った?
 ねぇねぇ、先生笑ったでしょ?
 笑うと案外かわいい感じになるんですね!」

「…だから、お前ら
 俺と
 俺が頼んだカルピスを無視すんじゃねぇって!」




もう一回だけ、続く…でしょう。 




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続・3人の恋人character紹介

月曜日の恋人 

 中村優太
 イメージボイス 鈴村健一さま

水曜日の恋人

 新田海
 イメージボイス 鳥海浩輔さま

金曜日の恋人
 
 二ノ宮恭一郎
 イメージボイス 諏訪部順一さま




この3人様の声を脳内反芻しながら、
妄想に妄想を重ねています。

どうですか?

イメージ膨らみました? 




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「もうすぐ会えるね。」連載リスタート直前、3人の恋人座談会!その後…

「とりあえず座りませんか?」

「…」

「…」

「おい。そこには俺と優太が座るんだよ。
 ニノセンは
 アッチの一人掛けでいいじゃねぇか!」

「俺様の脚は長い。
 そんな椅子で収まる訳ないだろ。」

「はぁ!?」

「あ、あの、先生?
 だからといって、
 そんなにゆったり座られたら…」

「俺らのどっちかに、
 立っとけっつうのかよ!」

「それが嫌なら、
 膝の上でも乗せておけ。」

「お!ニノセン、
 たまには良いこと言うじゃねぇか!
 優太、来い!!!」

「来いじゃないって、先輩!
 ポンポンって膝叩いても行かないから。
 だめっっ!
 そんな哀しそうな顔してもっっ!」

「ちぇっっ!」

「(ちぇっっ!とか、
  子供ですかあなたは?)
 僕、ここに立ってるからいいよ。
 早く座談会始めましょう。」

「立ってる奴がいるのに
 談会は出来んだろう。」

「「あんたのせいじゃないかっっ!」」




続く…のかな? 




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3人の恋人character紹介

月曜日の恋人

 中村優太(なかむらゆうた)
 3月3日生まれ 
 うお座のO型
 身長173cm
 体重58kg
 茶髪のゆるふわパーマヘア
 Tシャツに
 ハンパ丈パンツ+スニーカーの
 カジュアルスタイルが多い
 明るい色を好んで着る
 帽子が好き
 トランクス派
 フレグランスはシトラス系
 女性にはどこまでも優しい
 超フェミニストの男


水曜日の恋人

 新田海(にったかい)
 8月31日生まれ
 おとめ座のB型
 身長178cm
 体重62kg
 アッシュ系カラーの前髪長めショート
 自慢のピアスが見えるように
 サイドの長さにはかなり拘っている
 体のラインが出るタイトなカットソーに
 スリムパンツ+ごつめブーツの
 セクシースタイルが多い
 インナー以外は黒
 シルバーアクセとスカルが好き
 ビキニパンツ派
 フレグランスはフゼアフレッシュ系
 タイプの男性にはどこまでも優しい
 バリタチの男


金曜日の恋人

 二ノ宮恭一郎(にのみやきょういちろう)
 12月24日生まれ
 やぎ座のAB型
 身長183cm
 体重70kg
 美しく流れる肩に届くぐらいの黒髪
 洋服に気を使うより研究に没頭したい為、
 同ブランドのスーツ、シャツ、革靴を
 何セットも持っていて着回している
 ノーネクタイ
 コンタクトはケアが面倒なので眼鏡使用
 こだわりは無いつもりだが
 選ぶのは銀のメタルフレーム
 ボクサーパンツ派
 フレグランスはつけない
 自分にも他人にも厳しい
 冷徹な男 




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「もうすぐ会えるね。」連載リスタート直前、3人の恋人座談会!

「あーれ?まだ、誰も来てないの?
僕がいちばん?
んーーー、どこ座ろ。
そのソファもいいけど、
うっかりあの人の隣になるのも嫌だし、
こっちの一人掛けの椅子にしようかなぁ。
うーーーん、
どうしよっっ…」

「優太、何うろうろしてんだ?」

「あ、先輩!待ってたよ!」

「待ってたって、
そんな嬉しそうな顔すんなよ。
抱きしめたくなるだろうが。」

「ん?先輩、なんだか口調変わってない?
去年の年末までは
もうちょっと丁寧な感じじゃなかった?」

「そういうお前だって、
ますます可愛さに磨きがかかって…」

「おい、気持ち悪いぞ、そこの2人。」

「げ、ニノセン!」

「先生、来たんだ…。」

「来ちゃ悪いか。
て、そっちのホモ野郎、
ニノセンとか勝手に略すな。」

「く、くち悪っ…。」

「ホモとか言ってんじゃねぇぞ、
この引き籠り教師が!」

「ホモにホモって言って何が悪い。」

「ホモじゃねぇ!
俺はゲイだ!」

「いや、先輩…。
そこは声を大にして言う所じゃないから…。」




続く…かも? 




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